【カナヘビ飼育は簡単?】生態や毒性は?初心者の疑問を徹底解説!
こんにちは! 館長の、ゆるとです!
カナヘビは庭先や公園の植え込みなどにいることも多く、意外に身近な生き物です。
“小さい恐竜”のようなカナヘビと触れ合うのは、大人も子供も楽しいですよね。
しかしながらカナヘビの知識が少ない場合、次のような疑問や不安を持つことはないでしょうか?
- カナヘビはどんな生き物?
- 噛みついたりしない?毒はあるの?
- 捕まえたけど、ペットにできる?
- カナヘビの飼育は簡単?
- エサは何を食べるの? など
そこで!この記事では、カナヘビの飼育方法やよくある疑問について解説していきます。
疑問や不安を解決して、カナヘビとの時間を楽しみましょう!
カナヘビはどんな生き物?
一口に「カナヘビ」といっても多くの種類がいますので、この記事では代表的な「ニホンカナヘビ」について解説してきます。
カナヘビの生態
名前・・・ ニホンカナヘビ(日本の固有種)
分布・・・ 北海道、本州、四国、九州、など
体長・・・ 16cm~27cm、尻尾が長い
生息場所・・・ 日当たりの良い平地や山地に多く、草むら、民家の庭、公園などに生息
エサ・・・ 肉食性で小さな虫などを食べる
寿命・・・ 野生下では7年ほど
生活サイクル・・・
- 基本的には太陽が出ている時間に活動する
- 3月〜7月は恋のシーズン、赤ちゃんカナヘビは7月〜10月の間に生まれる。
- 気温が下がる11月〜12月に冬眠、温かくなる3月〜4月に冬眠から目覚める。
尻尾切りについて・・・ カナヘビは敵に襲われると、自分で尻尾を切り離す。
ちなみに、尻尾が元通り再生するまでは1年ほどかかります。
毒、病気の心配は無い
カナヘビは毒を出したり蓄えたりする器官がないため無毒ですし、人に感染するような病気の心配もありません。
ちなみに、カナヘビは名前に“ヘビ”とつきますが有鱗目カナヘビ科に分類されているトカゲの仲間で、日本に生息するトカゲ類は全て無毒です。
まれに興奮して噛みつくことがありますがカナヘビの噛む力は弱く、痛みを感じることはないでしょう。
しかしながらカナヘビがいくら無害でも、過度のスキンシップや手指が不衛生な状態では病原菌に感染するリスクがあります。
生き物と触れ合った後は、必ず手を洗いましょう。
「カナヘビ」と「トカゲ」は違う?
誤解されやすいのですが、「ニホンカナヘビ」と「ニホントカゲ」は、違う種類のトカゲです。
どちらも大きな枠組みではトカゲの仲間ですが、「ニホンカナヘビ」はカナヘビ科、「ニホントカゲ」はトカゲ科に属しており、見た目や飼育方法などが違います。
写真を見ながら、カナヘビとトカゲの違いを比べてみましょう(※写真・比較表の両方とも、タップで拡大できます)。
ちなみにニホントカゲは、大人と子供で体色が全く違います。
ニホントカゲの詳細はこちらの記事を参考にどうぞ。ニホントカゲの飼育方法2通りを解説!飼育用品の違いと利点欠点
カナヘビの飼育は簡単?
捕まえたのはいいものの、カナヘビの飼育難易度については気になるところです。
詳細を見ていきましょう。
意外に飼いやすい
カナヘビは比較的体が丈夫ですし、外国産のペットと違い日本の気候に適応しているので飼いやすいといえるでしょう。
日々のお世話も簡単で、日光浴、飲み水の交換、3日に1回のエサやり程度です。
カナヘビは縄張り意識が低いため、同じケージ内で数頭一緒に飼育する「多頭飼い」が可能です。
オスとメスが一緒なら、卵を産んでいることもあります。
長期飼育は難しい
カナヘビ自体は飼いやすい生き物です。
しかし2年、3年と長期間カナヘビを健康に飼育するのは、なかなか難しいでしょう。
生き物の飼育に正解はありませんし飼育期間が長いほど、必然的にさまざまなトラブルが起こります。
例えば、よくあるトラブルは、
- 春、夏、秋、冬のエサ確保が大変
- 原因不明の突然死
- 病気やケガの治療法が分からない
- 冬の飼育管理
- 長期旅行に行けない など
カナヘビの飼育環境を整えたりエサを確保したりするには、ある程度費用もかかります。
飼育にかかる費用は?
気になる費用ですが、飼育方法によって費用が違います。
カナヘビの飼育方法は主に、屋内飼育と屋外飼育に分けられます。
屋外飼育
庭先や玄関など家の外で飼育する方法です。
日々、適切な日光浴の管理と、冬は冬眠させる必要があります。
屋外飼育のメリット、デメリット
- 初期費用が安い
- 温度管理などの手間がかからない
- 人なれしづらい
- 冬眠のリスクがある
初期費用は比較的安価で、約3000円~4000円ほどでしょう(※ほぼ飼育ケージのみの金額です。自然の落ち葉など、代用可能な飼育用品はカウントしていません)。
屋内飼育
リビングなど、家の中で飼育する方法です。
日光浴や冬眠の必要はありませんが、紫外線ライトやヒーターが必要になります。
屋内飼育のメリット、デメリット
- 1年中、カナヘビを楽しめる
- 戸外飼育と比べ、圧倒的に人なれしやすい
- 初期費用が高め
- ライト類の管理、冬の生き餌の管理など、管理が大変
初期費用は高めで、約15000円~20000円ほど。
その他にも、冬のエサ代や電気代など、ランニングコストがかかります(※飼育ケージ、ライト類、冬用ヒーターの金額です。自然の落ち葉など、代用可能な飼育用品はカウントしていません)。
この章で計算した費用は、屋外飼育と屋内飼育それぞれ最低限必要な費用です。予算や目的に合わせて飼育方法を決めましょう。
ちなみに、カナヘビを飼いきれない時は逃がしてあげるのも選択肢です。
ただし、カナヘビを逃がす場合はもともと住んでいた場所に逃がしてあげましょう。
違う地域に逃がすと生態系に影響が出る可能性があります。
カナヘビは「なつく」のか?
カナヘビを飼育するなら、「観察して楽しむ」と考えるほうがよいでしょう。
動画などで人に“ベタ慣れ”したカナヘビを目にしますが、カナヘビは犬と違いスキンシップが必要ない生き物です。
とはいえ、エサの時間に集まってきたり、手に乗ってきたりするカナヘビはとても可愛いですよね。
カナヘビも「全くなつかない」わけではなく、ある程度「人慣れ」します。
飼育しているカナヘビがピンセットや指を見ただけで、エサを目当てに集まるようになれば、“なついた”と言ってもよいでしょう。
「人慣れ」させるコツは、人間は無害だと思わせることです。
カナヘビを“人慣れ”させるポイント
- 日々のお世話以外の時間は、極力カナヘビとの接触を避ける
- 観察時は上からのぞかず、カナヘビと目の合う高さで横から観察する
- カナヘビが隠れているときは探したりせずに、そっと休ませる
なお人間同様カナヘビも個体差が大きいため、すぐに慣れる子もいれば絶対に慣れない子もいます。
とにかくカナヘビを安心させ、怖がらせないように飼育しましょう。
一部のカナヘビは捕獲・飼育禁止
日本にはカナヘビが6種類生息していますが、一部のカナヘビは保護のため、捕獲や飼育が法律で禁止されています。
今のところニホンカナヘビは飼育可能(2023/7月現在)ですが、いつまでも野生のカナヘビに出会えるように、捕獲する際は最小限の数に留めましょう。
ニホンカナヘビと見た目が似ていて、環境省の「レッドリスト2020年版」に掲載されているカナヘビを紹介します。
アムールカナヘビ・・・ 準絶滅危惧種。日本では対馬のみに生息。色や見た目が日本カナヘビにそっくり。
コモチカナヘビ・・・ 絶滅危惧種。北海道の一部にのみ生息。ずんぐりした体形で、卵ではなく赤ちゃんカナヘビを産む。
天然記念物やレッドリストについては、国や地方自治体でそれぞれ取り決めがあります。
カナヘビの飼育方法
お待たせしました。カナヘビの飼育方法について解説します。
日々のお世話
日光浴・・・ 毎日1~2時間ほど日光浴をさせる。屋内飼育の場合は、日中は常に紫外線ライトをつける。
エサやりの頻度・・・ 3日に1回ほど、食べる分だけ与える。
水交換・・・ 毎日交換し、新鮮な水道水を与える。1週間に1度、水入れの掃除をする(※汚れをふき取る程度で、洗剤は極力使わない)。
飼育ケージの掃除・・・ フンをピンセットで取り除く。または1週間~1か月毎に床材を交換する。掃除については、床材の交換がオススメです。
エサの種類と入手方法
カナヘビのエサには生き餌と人工飼料がありますが、人工飼料は慣れさせるのが難しく、食べてくれない場合も多いです。
ですので、この記事では「生き餌」をメインに解説します。
ちなみに、人工飼料を与える場合は、レオパードゲッコーなどが食べる「爬虫類用のペットフード」がよいでしょう。
「生き餌」の入手方法
野外でバッタなどの虫を採取する方法と、ペットショップやネット通販などでエサ用の昆虫を購入する方法があります。
野外で採取できるエサを紹介します。上から順に人気のあるエサです。
- クモ ※地面を歩いている小さいクモ
- バッタ
- ワラジムシ など
- コオロギ
ペットショップやネット通販で入手できるエサを紹介します。
- ヨーロッパイエコオロギ
- レッドローチ
- デュビア
- ソホワラジムシ など
エサの管理について
カナヘビの食事は3日~4日に1回、小さいバッタ数匹程度ですので、大量にエサを採取する必要はありません。
ですが、定期的にエサ用の虫を採取するのが大変な場合、エサ用の昆虫を飼育して繁殖させる方法もあります。
エサ用昆虫の詳細は、こちらの記事を参考にどうぞ。エサ用昆虫、ヨーロッパイエコオロギの飼育方法と注意点!
エサやりのコツ
生き餌の確保は大変ですが、エサやりの時間はカナヘビ飼育の醍醐味と言ってもよいでしょう。
エサの与え方
ピンセットで虫をつまみ、カナヘビの顔先でゆらゆら動かすと、パクッと食いついてくれます。
ピンセットを怖がる場合はカナヘビの目の前にそっとエサを落としたり、エサを飼育ケージ内に放しておいたりして様子を見ましょう。
人間が見ていない時に、エサを食べていることがあります。
好物のエサでも、満腹になると食べません。2日~3日してお腹が減ったころにエサを与えましょう。
カナヘビに必須の「カルシウム」
エサにコオロギなどの昆虫ばかりを与えていると栄養が偏りやすく、カルシウムが不足する場合があります。
カナヘビにとってカルシウムは非常に重要で、不足すると生死にかかわることもあります。
ですので、カナヘビに単一のエサを与える際は、カルシウムパウダーを振りかけてから食べさせる「ダスティング」をするのが一般的です。
ダスティングの詳細はこちらの記事を参考にどうぞ。「ダスティングってなに?」爬虫類・両生類飼育に必須のサプリ事情を徹底解説「ガットローディングとは?」
時々「ワラジムシ」を食べさせよう
ワラジムシはエビなど甲殻類の仲間で、カルシウムが非常に豊富なため、カナヘビには最適のエサです。
ワラジムシをエサにする際は、なるべく小さ目のワラジムシを与えるようにしましょう。
大きなワラジムシは硬すぎるようで、カナヘビが食べられない場合が多いです。
また飼育ケージ内にワラジムシを放し飼いにすると、カナヘビの糞を食べて掃除してくれるメリットもあります。
ダンゴムシとの見分け方
ダンゴムシとの見分け方として、ワラジムシは丸くならない点で区別できます。
ちなみにダンゴムシは殻が硬く、カナヘビは食べません。
ワラジムシのデメリット
ワラジムシはエサとしてカロリーが少ないため、ワラジムシのみではカナヘビがやせ細ってしまいます。
ワラジムシはあくまでカルシウムの補給が目的ですので、時々与える程度で十分でしょう。
ワラジムシの詳細は、こちらの記事を参考にどうぞ。カルシウム満点!エサにおすすめワラジムシの飼育方法と注意点!
カナヘビと日光浴
日光浴はとても重要
カナヘビは日光浴によって新陳代謝を高めて、エサの消化や体内でカルシウムを合成します。
そのため、お腹を温めること、紫外線を浴びることが重要になります。
日光浴をさせる際は、次のような注意点があります。
ガラス越しの日光浴は無意味
窓ガラスやプラスチック越しの日光浴は、必要な紫外線のほとんどがカットされてしまうため日光浴の意味がありません。
対処法
- 飼育ケージのふたを金属のメッシュなどにする
- 飼育ケージ内に紫外線ライトをつける
- 日光浴の時は、飼育ケージの場所を移動させる
強い日差しを避ける
カナヘビは自分で体温調節ができないため、体温が高いときは物陰などで体を冷まします。
ですので真夏の炎天下のような環境ではカナヘビが体温調節できず、熱中症で死んでしまうことがあります。
対策として、明るい日陰や朝の日差しのような弱い太陽光が当たる場所に飼育ケースを設置するとよいでしょう。
必ずライト類を設置(屋内飼育の場合)
屋内飼育は適切な日光浴が難しいため、どうしても紫外線と太陽熱が不足します。
ですので、必ず紫外線ライトとバスキングライトを設置して、人工的に日光浴させてあげましょう。
紫外線ライトなどライト類の詳細は、こちらの記事を参考にどうぞ。【カナヘビ飼育】必要なライトは何種類?選び方やW数の目安、使い方や設置方法も解説!
飼育に必要な物
説明が長くなり申し訳ありませんでした。
カナヘビ飼育に必要な飼育用品を見ていきましょう。
飼育ケージ
飼育ケージのサイズは、最低でも「シェルター・バスキングスポット・水入れ」の3つが入る大きさが必要です。
目安として、30×60cmほどのサイズがよいでしょう。
- シェルターとは・・・カナヘビのお家。身を隠して休める大きさが必要
- バスキングスポットとは・・・カナヘビが日光浴する場所。石や木の枝など
- 水入れとは・・・水飲み場やお風呂代わりになる場所
飼育ケージの種類として、ガラス水槽、プラケース、または透明な衣装ケースなどでも代用可能です。
なかでも衣装ケースは安価で大きいため、初心者にオススメの飼育ケージです。
ところで、カナヘビはプラスチックやガラス面を登れませんが、鳥や猫に襲われたりジャンプして脱走したりするなどの事故もあるため、必ずふたを取り付けましょう。
飼育ケージのふたは、100円ショップなどで売っている金属のメッシュがオススメです。
床材
飼育ケージの衛生管理と湿度調節ために床材が必要です。
床材の種類は、キッチンペーパー・バークチップ・黒土・バーミキュライトなどがあります。
床材に用土を使用する場合は霧吹きなどで軽く湿らせ、その上に落ち葉やわらなどを敷くと自然に近い環境でストレスを少なくできます。
交換頻度
キッチンペーパー・・・ 1週間に1回程度、交換
用土・・・ 1か月に1回程度、入れ替え
シェルター(隠れ家)
カナヘビは落ち着いて身を隠せる場所がないとストレスで病気になったり、餌を食べなくなったりすることがあります。
シェルターになるものとして植木鉢の破片や、落ち葉を多めに入れたり石を積み上げたりするとよいでしょう。
シェルターを設置する際は、外からカナヘビが見えないようにしてあげましょう。
バスキングスポット(木の枝など)
日の当たる場所のレンガや木の枝など、カナヘビが日光浴をする場所を、バスキングスポットと言います。
飼育ケージ内に太陽光やライト類の光を当てるバスキングスポットを配置しましょう。
カナヘビは木登りもするので立体的な配置にすることで運動量が増え、ストレス解消にもなります。
ライト類(紫外線ライト・バスキングライト)
ライト類は屋内飼育の必須アイテムで、野生下の日光浴を再現するために設置します。
ライト類の役割
- 紫外線ライト・・・カルシウム合成、新陳代謝を活発にする、など
- バスキングライト・・・体温調節、エサの消化、日照サイクル維持、など
おすすめライト類の詳細は、こちらの記事を参考にどうぞ。【日本産トカゲ飼育】おすすめライト6選!口コミまとめや便利な周辺機器も紹介!
水入れ・ピンセット
カナヘビはよく水を飲みます。そしてお風呂代わりにもします。
水入れの大きさは、尻尾を除いた身体が入る程度の大きさで、溺れないよう浅い小皿などを用意しましょう。
ピンセットについては、エサやり、フンの掃除、など頻繁に使うアイテムなのであると便利です。
ちなみに、水入れとピンセットは100円ショップで購入できます。
よくあるトラブルや注意点
この章では、カナヘビの病気などについて解説しています。
不要な方は、「目次へボタン」を押し「冬の管理について」の章をお読みください。
くる病
紫外線不足やエサのカルシウム不足が原因で、骨が変形・軟化する病気です。
背骨が曲がって歩けない、体が黒くなり目が開かないなどの症状があり、死んでしまうケースもあります。
くる病対策
日光浴、紫外線ライト、エサにカルシウムパウダーを振りかけてから食べさせる方法(ダスティング)などがあります。
脱皮不全
※注意:写真はカナヘビではありません。脱皮のイメージ写真です。
カナヘビの脱皮はきれいに剥けるのではなく、ボロボロと剥がれるように脱皮します。
カナヘビが脱皮を始めてから1週間ほど経過しても古い皮が残っている場合は、脱皮不全の可能性を疑ってみましょう。
脱皮不全を放置すると血の巡りが悪くなり皮膚が炎症しボロボロになる、手指が壊死する、など重症化する場合もあります。
脱皮不全を予防する方法
- 床材を適度に湿らせる
- 水入れに新鮮な水を補充する
- 紫外線を十分に浴びる
- 飼育環境を見直し、カナヘビのストレスを減らす
脱皮の際は極力手を出さず、カナヘビに任せることが重要です。
しかしいつまでも古い皮が残っている場合は、病気のリスクが大きいため脱皮を手伝ってあげましょう。
脱皮の手伝い方
- ぬるま湯を用意し、プラケースなどに薄く入れる。
- カナヘビをぬるま湯につけ、古い皮をふやかす※溺れないよう注意
- 綿棒やピンセットなどで、古い皮をやさしく取り除く※ピンセットで傷つけないように注意
脱皮を手伝う際はカナヘビを十分に水に浸し、古い皮を柔らかくしましょう。
熱中症
カナヘビは日光浴が大好きですが、直射日光などの強い日差しを長時間浴びると熱中症になります。
また飼育ケージの通気性が悪いなど、熱がこもりやすい飼育環境なども注意が必要です。
実際に私も、戸外飼育していたカナヘビを日射病で死なせてしまった苦い経験があります・・・。
屋外飼育では、明るい日陰や、午前中などの柔らかい日差しを浴びる程度で十分です。
屋内飼育では、飼育ケージ内に涼しい場所、温かい場所、など温度差を作ることで対策できます。
拒食について
カナヘビ飼育で拒食はよくある症状ですが、死因の多くは拒食でもあります。
拒食とは、ある日突然エサを食べなくなり長期にわたり断食する症状です。
カナヘビは省エネな生き物ですので、1週間以上エサを食べなくても平気ですが断食が1か月以上の長期になると危険です。
拒食の対策
- ハニ―ワームなど、食いつきのよいエサを与える
- エサの種類を変えてみる
- 置きエサして様子を見る
- つまようじなどで口を開き、強制的にエサを食べさせる
強制給餌は強いストレスがかかるだけでなくケガのリスクもあるため、最終手段と考えましょう。
ハニーワームは「ブドウムシ」の名前で、釣り餌として売られていることもあります。
脱走の名人
カナヘビは木登りが得意で10cmほどジャンプすることも可能です。
そのためふとした隙に脱走します。
さらに体が小さくてすばしっこいため、室内で脱走した場合捕まえるのは至難の業です。
掃除の際などは、特に注意しましょう。
ダニに注意
最近元気がない、様子がおかしいという時、ダニがついていないかチェックしてみましょう。
自然の土や木を飼育ケースに入れている場合、吸血性のダニがついていることがあります。
ダニの対処方法
- ボールや洗面器にぬるま湯を用意
- カナヘビをお湯につけながら、体をやさしく洗う※溺れないよう注意
- ダニは水が苦手なため、ダニがついていればお湯の中に黒い点々が浮かんでくる
- その後、床材を捨てて飼育ケース内を全て水洗いする
- 床材は全て新しいものと交換
- 用土を交換する場合は、市販の土を使用する。※自然の土にはダニがいる可能性があるため
ダニの処理は屋外でしたほうがよいでしょう。
冬の管理について
野生のカナヘビは、最高気温が10℃を下回るころに冬眠の準備を始めます。
屋外飼育と屋内飼育で対応が全く違う点に注意しましょう。
屋外飼育の場合
屋外飼育の場合は冬眠させる必要があります。
自然に近い状態で飼育する屋外飼育では、最高気温が10℃を下回るころに冬眠の準備をしましょう。
カナヘビは落ち葉や朽木の下などで冬眠するので、シェルターの周りに落ち葉や水苔などを多めに入れてあげましょう。
目安としては、シェルターが埋まる程度です。
また冬の間は乾燥に注意し、落ち葉などが乾いたら軽く霧吹きをしたり水入れに水を補充したりしましょう。
屋内飼育の場合
屋内飼育の場合、パネルヒーターなどの保温器具を使用し冬眠させずに飼育します。
ライト類の使用など飼育方法自体は1年中同じですが、カナヘビは急激な温度変化に弱いので25℃前後を目安に飼育ケージ内の温度を一定にキープしましょう。
ヒーターについては、こちらの記事で詳しく解説しています。【トカゲ飼育】失敗しないヒーターの選び方・使い方教えます!※日本のトカゲ類が対象
まとめ
今までの内容を簡単におさらいしましょう。
- カナヘビはヘビではなく、トカゲの仲間
- カナヘビと触れ合っても、人間への毒や病気の心配はないし、噛みつかれても痛くない
- カナヘビの種類によって、捕獲や飼育が禁止されている
- 比較的飼育しやすいが、カナヘビを健康的に長期飼育するのは難しい
- カナヘビは小さなバッタやクモ、虫などを食べる
- 飼育に必要なものは、飼育ケージ、水入れ、シェルター(隠れ家)、ライト類など
- カナヘビ飼育には、日光浴、紫外線、カルシウムが重要
この記事があなたの、“カナヘビライフ”をより楽しくするヒントになれば幸いです。
最後まで読んでくださりありがとうございます。