【トカゲ飼育】失敗しないヒーターの選び方・使い方教えます!※日本のトカゲ類が対象

こんにちは!生き物大好き、ゆるとです!
この記事では、日本産のトカゲ類飼育に使用する、ヒーターの選び方について解説していきます。
- ヒーターを買ったけど、飼育ケージが温まらない
- 種類が多くて、ヒーターを選べない
- ヒーターの使い方が分からない
- ヒーターの使い心地が、思ってたのと違う
- 結局、どのヒーターが正解なの? などなど
気温が下がる冬は、トカゲの飼育管理が難しく、大変な時期です。
特にヒーターの選び方や、飼育ゲージの保温について悩む方も多いのではないでしょうか。
実際、ヒーター選びは難しいです。
ですが、ヒーターは冬の必須アイテムなので、設置しないわけにはいきません。
私も失敗した経験がありますが、精神的・金銭的ダメージが大きいですよね。
この記事では、ヒーター選びの基準、各種ヒーターの特徴、使い方や選び方の実例などについて解説していきます。
冬の保温対策やヒーター選びにお困り方は、ぜひ最後までお付き合いください。
なお、おすすめのヒーターについては、こちらの記事も参考にどうぞ。
【トカゲ、カナヘビ、ヤモリ飼育】おすすめヒーター6選!製品の特長や口コミまとめ!
それでは、ヒーターの選び方を見ていきましょう!
ヒーター選びの基準は3つ

ヒーター選びの基準は、「トカゲの種類」「外気温」「ゲージの広さ」の3点です。
トカゲは種類ごとに、行動パターンが違うため、トカゲと相性の良いヒーターを選ぶ必要があります。
飼育環境の気温は人や地域により違いますし、寒冷地などでは0℃を下回る場合も。ですので、気温に合わせてW数やヒーターの種類を変える必要があります。
飼育ケージの広さにより、ヒーターの種類やW数を変える必要があります。ケージが小さいと使えないヒーターもあります。
これらの3点がヒーター選びの基準になります。
まずはトカゲについて、見ていきましょう。
トカゲの種類について
3タイプに分けて考える
適切にヒーターを選ぶには、トカゲとヒーターの相性が重要になります。
まずはトカゲを3タイプに分類し、ヒーターとの相性を見ていきましょう。
トカゲ型・・・ 主に地表や地中で生活するタイプのトカゲです。代表的な“トカゲ型”は、ニホントカゲです。
鱗がツルツルしている、光沢がある、巣穴をほる、などの特徴があります。
カナヘビ型・・・ 主に地表で生活し、低い植木に登るなど立体的な動きを好むタイプのトカゲです。
代表的な“カナヘビ型”は、名前の通り、ニホンカナヘビです。
鱗に「キール」と呼ばれるスジがあり、光沢の無いガサガサ、ギザギザした外見が特徴です。
ヤモリ型・・・ 夜行性で、壁などに張り付いて生活するタイプのトカゲです。代表的な“ヤモリ型”は、ニホンヤモリです。
夜行性で、壁に張り付くことで見分けられるでしょう。
ちなみに、トカゲモドキなどのヤモリ類は、この記事で解説する“ヤモリ型”には含まれません。
ニホントカゲ (左側) | カナヘビ (中央) | ヤモリ (右側) |

ヒーターとの相性
・トカゲ型はパネルヒーターなど、飼育ケージを下から温めるヒーターと相性が良いです。
・カナヘビ型は暖突など、飼育ケージを上から温めるヒーターや、空間を温めるヒーターと相性が良いです。
・ヤモリ型はパネルヒーターや暖突など、飼育ケージを上から温める、もしくは飼育ケージの壁を温めるヒーターと相性が良いです。
飼育環境の気温
飼育ケージを設置している場所の気温です。
寒冷地など、気温が0℃を下回る様な環境では、保温能力が高いヒーターが必要になります。
標準より高いW数を選ぶのもよいでしょう。
日中は常にエアコンを使用するなど、昼間の温度が低くない環境であれば、夜間にトカゲの寝床の温度を確保できるヒーターがあれば十分です。

飼育ケージの広さ
お疲れ様です。長文になってしまい、申し訳ありません。
この章で、選ぶ基準3点の解説は終わりです。
それでは飼育ケージの広さについて、解説します。
飼育ゲージが広い、もしくは高さがある場合は、保温球など広範囲を温められるヒーターが効果的です。
数種類のヒーターを組み合わせて使用する方法もあり、高い効果が期待できます。
飼育ゲージが小さい場合もしくは狭い場合は、必要な場所が温められるヒーターを使用するとよいでしょう。
レイアウトや床材など、飼育ケージの一部を温めるだけで十分です。
ヒーター3種の特徴と注意点
代表的な3種類のヒーターについて解説していきます。
ヒーターを設置するさいは、飼育ゲージ全体を温めるのではなく、暖かい場所と涼しい場所を作って、トカゲ自身が、好きな温度帯を選べるようにしましょう。
パネルヒーター
板状、もしくはフィルム状の保温器具で、飼育ゲージの外に取り付けて温めるタイプ。
特徴や使い方・・・接している面積が大きいほど温まりやすい。飼育ケージの下に設置し、床や土、水などを温めると無駄がない。
工夫次第で簡易温室も作れる。地上や土の中で活動するトカゲ型と相性がいい。
注意点・・・空間を温める能力はかなり低く、飼育ゲージ内の気温を上げる効果は低い。
赤外線ヒーター
いわゆる「暖突」タイプのヒーター。飼育ケージの蓋や上に取り付けて使用する。
特徴や使い方・・・上から赤外線を放射して温める。流木や造花など高低差が多い飼育ゲージを効率よく温められる。
立体的な動きが得意なカナヘビ型と相性がいい。
注意点・・・空間を温める能力は低めで、飼育ケース内の気温を上げる効果はあまりない。飼育ゲージに高さがあると十分に温まらない。飼育ゲージが乾燥しやすい。
保温球
電球タイプの保温器具。バスキングライトの様にソケット、スタンドにセットして使用する。
特徴や使い方・・・空間を温める能力が高く、高さや広さのある飼育ゲージに適している。寒冷地など、気温が低くなる環境でも十分に保温してくれる。
注意点・・・保温球の他に「ライトスタンド」「ランプシェード」「サーモスタット」をそろえる必要があり、初期費用がかかる。
電球自体が非常に熱くなり、一瞬触れただけで火傷する。電球周りも高温になるので、火傷、防火対策が必要。消費電力が高い。
どこにでも張り付く、ヤモリ型には使用しないほうが良いでしょう。火傷の恐れがあります。
ヒーターと飼育環境の相性早見表
お疲れ様でした。文章では分かりづらかったですね。
一目でわかるように、ヒーターとの相性を早見表にまとめました。
パネル ヒーター | 赤外線 ヒーター | 保温球 | |
相性の良い トカゲ | ・トカゲ型 ・カナヘビ型 ・ヤモリ型 | ・カナヘビ型 ・ヤモリ型 | ・カナヘビ型 ・トカゲ型 |
外気温 | ・影響を受けやすい。 ・0℃以下になる場合、高いW数を選ぶ。 | ・影響を受けやすい。 ・0℃以下になる場合、高いW数を選ぶ。 | ・比較的影響されにくい。 ・しかし、0℃以下になる場合、高いW数を選ぶ。 |
相性の良い ケージ | ・小さいケージ ・天井が低いケージ | ・小さいケージ ・天井が高すぎないケージ | ・広いケージ ・高さがあるケージ |
使い方 | ・床、水、壁など接地面を温める。 | ・レイアウトの表面などを、上から赤外線で温める。 | ・電球を中心に、空間を温める |
選び方の具体例
この章では、よくある飼育環境を例に、選び方を解説します。
前提条件は、以下の2点です。
・日中はバスキングライトを使用
・外気温は5℃前後
カナヘビ飼育(30cm水槽)
飼育環境は、流木などのレイアウトがあり、天井からレイアウトまで約10cm前後としましょう。
ヒーターは、暖突などの赤外線ヒーターが良いでしょう。レイアウトを含めた飼育ゲージ全体を温めてくれます。
夜間は、バスキングライトが消灯するため、気温が下がります。飼育ケージの上から毛布を掛ける、パネルヒーターを使用するなど、対策しましょう。
ニホントカゲ飼育(30cm水槽)
飼育環境は、床材の土が厚めに敷いてあり、レイアウトの高低差が少ない、としましょう。
ヒーターは、パネルヒーターが良いでしょう。立体的な動が少なく、土に潜ったり、地上にいることが多いため、下から温めるヒーターが効果的です。
注意点として、床材が厚過ぎると、ヒーターの熱が届かない場合があります。
ケージの壁面や水場の下にヒーターを取り付けるなど、取り付け方を工夫しましょう。
ヤモリ飼育(30cm水槽)
始めに注意点として、ヤモリは夜行性のため、バスキングライトは使用しない前提とします。
育環境は、流木などのレイアウトやシェルターがあるものとします。
ヒーターは、暖突などの赤外線ヒーターと、パネルヒーターを併用するのが良いでしょう。
ヤモリは壁に張り付くため、上からレイアウトを温める他に、一部の壁面にパネルヒーターを設置する事でヤモリ自身で温度調節ができます。
保温効果を高める方法として、天井が低いケージで飼育する方法があります。この場合、赤外線ヒーターのみの設置で十分でしょう。
50cm水槽でニホントカゲ飼育(ケージが大きい場合)
飼育環境は、床材の土が厚めに敷いてありで、レイアウトの高低差が少ない、としましょう。
しかし注意点として、飼育ケージの空間が広いため、気温が低くなる点を考える必要があります。ニホントカゲは地面が暖かくても、気温が低すぎると活動できません。
ヒーターは、パネルヒーターと保温球の組み合わせが良いでしょう。
パネルヒーターだけでは飼育ゲージ内の気温を上げられないので、空間を温める保温球が必要になります。
夜間は土に潜るため、シェルターの近くにパネルヒーターを設置するだけでよいでしょう。
保温球が使用できない場合
都合により保温球が使用できず、赤外線ヒーターやパネルヒーターで乗り切りたいこともあるでしょう。
これらのヒーターは空間を温めるのが苦手なので、小さめの水槽に移すなど飼育ゲージ内の空間を小さくすることで弱点をカバーしましょう。
例えば20×20cmほどの飼育ゲージなら、昼間はバスキングライトとパネルヒーターを併用すれば温度を保つことができます。夜は、トカゲが眠るシェルター内や、床材を十分に保温できれば飼育ゲージ全体を温める必要はありません。
ヒーターやバスキングライトは夏よりも高いW数を選んだり、夜は毛布や布をかぶせるなど、保温力を高める工夫も合わせて行いましょう。
ヒーターを最大限活用する方法

ヒーター使用のコツや、便利な周辺機器を解説します。
ヒーターを最大限活用し、使い倒しましょう。
ヒーターの効果的な使い方
パネルヒーター・・・ むき出しで設置するのではなく、布などの上に置いて使用するとよいでしょう。
外気温に熱を奪われにくくなるため、保温効果を高められます。水槽が複数ある場合は、水槽と水槽の間に挟んで使用する方法もあります。
赤外線ヒーター・・・ 飼育ケージの上から、布などをかぶせることで、熱が逃げづらくなります。他にも、飼育ケージの天井を低くすることで、保温効率を改善できます。
保温球・・・ 電球自体が高温になるため、火事を予防しましょう。玉切れすることも多いので、予備の保温球を用意することも大切です。
温度計は必須アイテム
ヒーターを使用する場合、必ず必要になるのが温度計です。主な使用目的は「適正な温度になっているか?」「ヒーターが故障していないか?」の2つです。
ヒーターを設置しても、実際に飼育ケース内で温度を測ると思っていた効果が出ないことがあります。また見た目では故障しているかわからないことが多いので、温度が分かればすぐに対応できます。
その他にも、飼育用品に不良品はつきものですので、試運転で温度チェックして返品・交換することでトラブルを防止できます。
ヒーターの種類で必要な温度計が違う
例えば、保温球が温めている場所と、パネルヒーターが温めている場所では使う温度計が違います。
保温球は空間を温める能力が高いので、気温が測れる温度計が必要です。
赤外線ヒーター、パネルヒーターは空間を温める能力が低いので、流木などレイアウトの表面や床材の温度を測れる温度計が必要です。
下の温度計はシンプルで防水機能もあり、レイアウトの表面や土の中の温度を測るのにおすすめの温度計です。
サーモスタットについて
サーモスタットは、飼育ケース内の気温や水温が一定になる様に自動で管理してくれる飼育用品です。
各機材をサーモスタットに接続して温度設定すると、飼育ゲージ内の温度が、設定温度より高い・低い時に自動で各機材のスイッチをON・OFFしてくれます。温度調節機能が無かったり、高温になるヒーターなどには必須アイテムです。
サーモスタットの使用方法・・・
※保温器具等は先に飼育ケージに設置しておきましょう。
1.サーモスタットにバスキングライトやヒーターなど保温器具を接続する。
2.サーモスタットをコンセントにつなぐ。
3.サーモスタット本体で温度範囲を設定する。終了!
基本的な使い方や本体の設置場所は、説明書で必ず確認しましょう。
まとめ

・ヒーター選びの基準は3つ
- トカゲの種類
- 外気温
- 飼育ケージの広さ
・ヒーター3種類の特徴
- パネルヒーターは、接地面を温めるのが得意(床材や水、壁面など)
- 赤外線ヒーターは、高低差のあるレイアウトを温めるのに最適
- 保温球は、広い飼育ケージや、高さのある飼育ケージ向き。火事に注意する。
・ヒーターは、組み合わせて使うのが効果的
・冬だけ飼育ゲージを小さくする方法もある
・温度計は必須、温度管理と故障対策をしよう
長文になってしまいましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
あなたとトカゲ達が、冬を快適にするヒントになれば幸いです。