【カナヘビ飼育】必要なライトは何種類?選び方やW数の目安、使い方や設置方法も解説!
こんにちは! 館長のゆるとです!
この記事では、カナヘビやトカゲ飼育初心者の方向けに、ライト類(照明器具)について解説していきます。
- カナヘビ飼育で、ライトは絶対必要?
- ライトは何種類あるの?
- 選び方やW数が分からない
- 使い方が分からない など
ライトの使用目的や、必要なライトを選ぶ基準など、ライト類の基本情報をまとめました。
なお、おすすめのライトが知りたい方は、こちらの記事を参考にどうぞ
【日本産トカゲ飼育】おすすめライト6選!口コミまとめや便利な周辺機器も紹介!
それでは、各種ライトの使用目的を見ていきましょう!
ライトを使用する目的
目的は4つ
トカゲ飼育でライトを使用する目的は、以下の4つです。
- 紫外線を浴びる
- 体を温める
- 体の発色を良くする
- 飼育ケージの照明として
中でも重要なのは「紫外線を浴びる」、「体を温める」の2つで、目的は日光浴の再現です。
なぜなら、日光浴はカナヘビの生活に必要不可欠で、とても重要な意味があります。
カナヘビは日光浴で体を温め、新陳代謝を活発にし、体内でビタミンを作ったり、エサを消化するなどします。
屋内で飼育する場合、十分な日光浴ができないため、ライト類で人工的に日光浴させる必要があるわけです。
日光浴ついて(バスキング)
タイトルに聞きなれない用語がありますね。
大ざっぱに飼育用語をまとめましたので、ご覧ください。
- バスキング・・・ 日光浴
- バスキングスポット・・・ 日光浴する場所
カナヘビなどの爬虫類飼育では、日光浴をバスキングと呼びます。
人工的に日光浴させる場合、日光浴させる場所(スポット)。つまりバスキングスポットを設置します。
具体的な方法は、飼育ケージ内一部分にレンガや木の枝などを設置して、ライトの光を集中させれば完了です。
バスキングで重要なのは、スポットの温度です。
約30℃〜40℃に保つのが一般的で、カナヘビのお腹を温めるのが主な目的です。
バスキングスポットの熱により内臓の新陳代謝を活発にし、エサを消化します。
ライトの種類とライトスタンド
紫外線ライト
紫外線は3種類あるため、トカゲ飼育に適した紫外線ライトを選ぶ必要があります。
UVA・・・脱皮、食欲、生殖機能、細胞の活性化などを促進する。
UVB・・・ビタミンD3を作るために必要、不足すると命にかかわる骨の病気になる。飼育ケースや窓ガラスによって9割以上が遮断される。
UVC・・・細胞を破壊するほど強力な紫外線。殺菌灯やブラックライトから発生する。ほとんどがオゾン層に吸収され地上には届かない。
トカゲ飼育ではUVA、特にUVBが必要で、必ず爬虫類用の紫外線ライトを選んでください。
ブラックライトや殺菌灯など一般的な紫外線ライトはUVCを発しているため、絶対に使用しないでください。
バスキングライト
バスキングライトとは、日光浴する場所(バスキングスポット)を照らし、温めるライトです。
バスキングには、生態サイクルを整える、体温調節、内臓の代謝を良くしエサを消化する、などの役割があります。
もしバスキングしなかったら、カナヘビはどうなるのでしょうか?
自力で体温調節できないカナヘビは、体が温まらず低体温になると、内臓が動かなくなり消化不良を起こします。
内臓が動かず、消化不良や便秘になると、腸の中で未消化のエサが腐敗し、カナヘビが死んでしまう危険があります。
ちなみに、バスキングライトの目的は「保温」なので、パネルヒーターなどでバスキングスポットの温度を確保できれば、ライトを設置したくても飼育可能です。
その他、兼用ライトなど
紫外線ライト、バスキングライトの両方を兼ねたライトとして、水銀灯とメタルハライドランプがあります。
両方とも強い光を出すのが特徴で、製品によっては太陽光以上とうたっているものもあります。
ですがが、日本のトカゲ類には強すぎるので使用しないほうが良いでしょう。
他にも、夜間用の保温ライト、月の光を出すライト、カメ用の防水ライトなどがあります。これらのライトは基本的に、ニホントカゲ、カナヘビ飼育には使用しないので割愛します。
ライトスタンドについて
ライトを使用するには、電球とソケット付きのスタンドをワンセットそろえる必要があります。
初めて購入する時は、一体になっているものや両方セットになっているものを選ぶと安心です。
ライト選びの基準とW数について
紫外線ライト
紫外線ライトを選ぶ基準として、トカゲに必要なUVBの強さと有効な距離の把握が必要です。W数を選ぶ基準にするのは有効な距離の長さで、UVBの強さは関係ありません。
紫外線ライトにはUVBの強さが、「2.0」「5.0」「10.0」の様に記載されています。日本のトカゲ類には「5.0」もしくは、記載がない場合は「一般的な爬虫類用」のもを選びましょう。
「2.0」・・・森林や熱帯雨林など木漏れ日程度の日光しか差し込まない場所に生息する爬虫類
「5.0」・・・温帯、亜熱帯などに生息する一般的な爬虫類。日本に生息するトカゲ類はこの強さの紫外線が必要です。
「1.0」・・・砂漠やサバンナなど、強力な紫外線が降り注ぐ熱帯、乾燥地帯に生息する爬虫類。
紫外線の有効な距離については、バスキングスポットに十分な紫外線量が届く距離、という事になります。UVBはライトからの距離が数センチ違うだけで、紫外線量が大きく減少します。
W数を選ぶ目安として、電球とバスキングスポットの距離が、13Wなら20cm~30cm。26Wなら50cm~60cmほど。
LEDタイプの場合は、3Wなら50cm~60cmほど。5Wに関しては一般的なライト75W相当のパワーがあり、日本のトカゲ類に使用するには強すぎます。
バスキングライト
バスキングライトを選ぶ基準は、バスキングスポットの温度を30℃前後に温められるW数になります。ライトを設置する距離から、バスキングスポットを十分に温められるW数を選びましょう。
また寒冷地や冬の間など気温が低い環境では、同じ距離でもバスキングスポットが十分温まらないことがあります。
その場合ワンランク上のW数を選んだり、「25Wと50Wセットの電球」を購入して冬はW数の高い電球を使用するなどの対策を取りましょう。
目安として、バスキングスポットが約30℃になる距離は、25Wでは約20cm以内。50Wでは約30cm以内です。75W以上になると温度と距離はあまり変わらなくなり、ライトの明るさの単位であるルクス数が大きく上昇する傾向があります。
設置方法と使い方
設置方法と注意点
紫外線ライト、バスキングライト、ともにバスキングスポットを照らすように設置します。おおよそ8時間ほど点けておくとよいでしょう。(太陽が昇り、沈む時間)
設置するコツは、バスキングスポットを飼育ゲージの端っこなどに作り、トカゲが暖かい場所と涼しい場所を選べるようなレイアウトにしてあげると良いでしょう。
体温が上がり過ぎると、トカゲも熱中症になります。
熱中症になった場合、数十分で死んでしまうので、体を冷ます場所も必要です。
ガラスやプラスチック越しにライトを当てると、有効な光が遮断されたり、ガラス面が高温になり危険です。
ライトが直接バスキングスポットを照らすように飼育ケースの蓋を金属メッシュなどにしたり、飼育ケース内に設置するなどしましょう。
またバスキングライトはライト自体が高温になります。ライトの設置場所によっては火事につながったり、トカゲが触って火傷をしてしまう恐れがあります。ですのでトカゲが触れない高さ、ライトの近くに可燃物や熱に弱い物がない、と言った場所に設置するようにしましょう。
ビス止め、クリップ、上から吊るすタイプなどライトスタンドによって様々な設置方法があります。飼育ケースの壁面に直接設置する場合は、金属製のランプステーなどを使用するとスムーズに設置できます。
バスキングスポット設置のコツ
バスキングスポットを設置するさいは、高低差を作るのがポイントです。
バスキングスポットに高低差があることで、温度や紫外線量の差が生まれます。
ですので、カナヘビ自身で好きな温度や紫外線量を選べるため、ライトを調節する手間が省けます。
ライトを使わない飼育環境について
ライト類はカナヘビ飼育の必須アイテムですが、意外に経費がかかりますよね。
しかしながら、飼育環境によってライトが不要な場合もあります。
そこで、ライトが必要・不要な飼育環境について解説していきます。
ライトが不要な環境
太陽光で日光浴できる・・・ 飼育ケージに直接日光が入り、ケージ内の気温の維持と紫外線を十分に浴びれる環境であれば、ライト類は不要でしょう。
具体的には、屋外に飼育ケージを設置して飼育している場合や、飼育ケージを移動させるなどし、毎日太陽光で日光浴できる環境などです。
紫外線ライトのみで十分な環境
直接日光は入らないが、十分な明るさと気温が確保できる・・・ 日光浴は無理でも、十分な気温が確保できる飼育環境ならば、紫外線ライトだけでも十分でしょう。
気温は、常時30℃前後で、照明の明るさは、太陽の明るさと連動するのが理想です。※日が沈んだら、必ず照明を消しましょう。
注意点として、長期飼育するならパネルヒーターか、バスキングライトとの併用をおすすめします。
理由は、バスキングスポットがないために内臓を温められず、消化不良になりやすくなるためです。
せっかくお迎えしたカナヘビですから、健康に過ごせる環境を作ってあげたいですね。
ライトが必須の環境
日光浴ができず、気温も確保できない・・・ バスキングライト、紫外線ライトともに必要です。
屋内で飼育する場合は、ほとんどがこのパターンでしょう。
ライト類は経費がかかりますが、日光浴は死活問題ですので、配慮してあげましょう。
まとめ
ライトの使用目的は4つ・・・
- 紫外線を浴びる
- 体を温める
- 体の発色を良くする
- 飼育ケージの照明として
日光浴はカナヘビ飼育に必要不可欠・・・ 飼育下では、ライト類で人工的に日光浴させる必要がある。
ライトの使い方・・・ バスキングスポットだけに照準をあわせ、バスキングライトと紫外線ライトを設置、点灯する。
バスキングスポットと温度・・・ レンガや流木などを用意し、バスキングスポットにする。バスキングスポットの温度は約30℃〜40℃
紫外線ライトの選び方・・・ UVBが重要で、紫外線の強さは5.0を選ぶ
バスキングライトの選び方・・・ バスキングスポットを、約30℃〜40℃に温められるV数のライトを選ぶ
点灯時間・・・ 8時間ほどが目安。夜は絶対に消灯する
変わりづらい部分も多々あったかと思いますが、最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
ライト用品について、少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。