【ヒキガエル】5種の見分け方と探し方!オスメスの判別やウシガエルとの違いも徹底解説!

2024年6月11日ヒキガエル,ランキング

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こんにちは! 生き物大好き、ゆるとです

ヒキガエル体色見た目だけでなく、性格も大変に個性豊かで、判別が難しいカエルです。

  • 捕まえたヒキガエルの、種類や生態を知りたい
  • 各種ヒキガエルの見分け方や、特徴を知りたい
  • ヒキガエルの探し方捕獲方法が知りたい
  • オス、メスの判別方法が知りたい
  • ウシガエルとの違い見分け方は など

この記事では、あなたが“ヒキガエル”を存分に楽しむために、役立つ情報を解説していきます。

解説するヒキガエルは、次の5種類ウシガエルです。

  • アズマヒキガエル
  • ニホンヒキガエル
  • ミヤコヒキガエル
  • ナガレヒキガエル
  • オオヒキガエル

ヒキガエル飼育している方これから飼育する方捕まえたい方観察したい方は、ぜひ最後までお付き合いください。

それではいってみましょう!

アズマヒキガエルと、ニホンヒキガエル

始めにアズマヒキガエルと、ニホンヒキガエルについて見ていきましょう。

見分け方

最も的中率が高い、とされている判別方法から紹介します。

目と鼓膜までの距離と、鼓膜の直径の大きさの違いにより、どちらか見分ける方法です。

名前アズマヒキガエル(左側)ニホンヒキガエル(右側)
見分け方目と鼓膜までの距離、よりも、鼓膜の直径が大きい目と鼓膜までの距離、よりも、鼓膜の直径が小さい

・・・ですが、正直わかりづらいですよね。

文章で説明すると、さらにわかりづらさが増す気がします。

そこで、私がフィールドワークのさいに、ヒキガエルを見分けている基準を紹介します。

アズマヒキガエル・・・ 鼓膜の大きさが、目の大きさ同じか、それ以上の場合は、アズマヒキガエル。

ニホンヒキガエル・・・ 鼓膜の大きさが、目の大きさより小さいか、鼓膜が目より遠い場合は、ニホンヒキガエル。

アズマヒキガエル(左側)ニホンヒキガエル(右側)

あくまで経験則ですので、判別の精度についてはご容赦ください。

しかしながらヒキガエル地域差個体差非常に大きいため、正確に判別するのはほぼ不可能ではないか、と思います。

怒らないでくださいね・・・。

表現がよくありませんでしたが、あなたも理由がわかれば、納得していただけるはずです。

なぜ判別が不可能なのか?

それは両種が混在する地域が多く生態ほぼ同じで、ハイブリッド個体の存在まで多数報告されているためです。

アズマヒキガエルと、ニホンヒキガエルは縄張りを持たず生息分布境界線は無いも同然です。

遺伝子的にはやや遠い両種ですが、交雑も可能です。

捕まえた個体が、両種のハーフクオーターだった場合、素人が判別できる難易度ではありません。

ですので、アズマヒキガエルとニホンヒキガエルの見分け方については、おおよその目安と考えていただきたいと思います。

生態を比較してみよう

名前アズマヒキガエル(左の画像)ニホンヒキガエル(右の画像)
分布地域主に東日本に分布
北海道、東北〜近畿地方付近まで
日本の固有種
主に西日本に分布
近畿地方南部〜九州、屋久島まで
日本の固有種
体長6cm~18cm6cm~18cm
見た目の違い鼓膜が大きい
体のイボが小さめ
鼓膜が小さい
体のイボが大きめ

この他の生態はほぼ同じですので、分割せず解説します。

生息場所・・・ 雑木林、公園やお寺、民家の庭先など、水辺から離れた場所に多い

エサ・・・ ダンゴムシ、アリ、ミミズ、コオロギなど、口に入る大きさの動くもの

生活サイクル・・・ 活動時期は4月〜11月ころ。気温が下がる11月〜12月に冬眠する。繁殖期は2~5月

2月前後に、一時的に冬眠から目覚め、交尾産卵する場合がある。

ちなみに、もともと北海道にはヒキガエル生息していなかったため、国内外来種という扱いになっています。*¹

詳しくは、北海道の環境生活部のページをご確認ください。

*¹出典:アズマヒキガエル 指定外来種(北海道 環境生活部)

オスとメスの判別方法

鳴き声

最も簡単な判別方法は、鳴き声でしょう。

ヒキガエルは、オスだけ鳴きを出すので、鳴けばオスとわかります。

鳴き声を確認する方法は、ヒキガエルを掴んで持ち上げることです。

カエルの背中側から、前足のわきの下に指を入れて掴み、そのまま持ち上げると、キュッキュッキュッと鳴きます。

しかし、必ず全てのオスが鳴き声を出すわけではありません。

鳴けばオスと判別できますが、鳴かない場合オスメス両方の可能性があります。

鳴き声で判別できない場合は、抱きだこの有無を確認してみましょう。

抱きだこ

写真はミヤコヒキガエルの前足です。

メスに比べ、オスの前足太く指に黒い「抱きだこ」があります。

オスは交尾のさい、メスにすこぶる強く抱き付きます。

メスを絶対逃がさないための腕力と、抱きだこです。

ですが、抱きだこや前足についても、残念ながら個体差があるので注意しましょう。

例えば繁殖期が近づく黒くなる、そもそも無いように見える、などです。

繁殖期の様子

繁殖期のオスは、体色見た目変化します。

普段よりも幾分か体色が明るい色になり、体中のイボも縮みつるりとした外見になります。

オスメスが判別しづらい通常時に比べオスの雰囲気が変わるのが、繁殖期の特徴です。

ヒキガエルの探し方

ここまで読んでくださった「あなた」は、ヒキガエルを捕まえたくなり、うずうずしてきたことでしょう。

まずは、ヒキガエル探しに必要なアイテムについて解説します。

必須アイテム

懐中電灯・・・ 発見率が大きく変わります。

プラケースなど・・・ 一時的にヒキガエルを入れる容器です。

軍手・・・ ヒキガエルは皮膚から毒を出すので、すぐに手が洗えない場合軍手などで捕獲するのが良いでしょう。

狙うなら“夜”

、だと漠然としていますが、狙い目の時間帯があります。

具体的には、20時〜24時前後です。

ヒキガエル夜行性で、昼間は倒木や岩の下などに穴を掘り、隠れています。

ですので、日中はまず見つけられないでしょう。

完全に日が沈み、夜行性のたちが活動し始める時間帯狙います。

カブトムシ採集では、20時~22時までが「ゴールデンタイム」と呼ばれています。

ヒキガエルがエサを目当てに現れるのも、この「ゴールデンタイム」重なるわけです。

5月〜10月

5月〜10月は、ヒキガエル活動的になる時期です。

ヒキガエル雑木林や民家の縁の下公園キャンプ場などに潜んでいることが多く、池など水辺の近くにはあまり現れません。

キャンプ場や公園の街灯周辺など、エサになる虫が集まる場所を探してみましょう。

懐中電灯は必須アイテムです。

街灯すぐ下でも意外に暗く、茶色っぽいヒキガエルは風景に溶け込むため、見逃してしまうことがあります。

ですがライトで照らしていれば、見えやすいだけでなく、ヒキガエルがびっくりして動くので、見つけやすくなります。

繁殖期

個人的には勝手に「フィーバータイム」と呼んでいます。

お住いの地域にもよりますが、おおよそ2月〜5月ごろです。

ヒキガエル冬眠から目覚めると、繁殖期に入ります。

繁殖期にはなどの水辺に、大量のヒキガエルが集まって来ます。

俗に「カエル合戦」と呼ばれ、大量のヒキガエルが入り乱れて交尾、産卵します。

大チャンスですが、ヒキガエルたちは、限られた一部の水辺だけに集まる点に注意しましょう。

カエル合戦の候補地を予測、下見するなど、事前準備が重要です。

なお、ヒキガエルの捕獲必要最小限の数に留めましょう。

毎年元気なヒキガエルに出会えるよう、心配りをしてあげてくださいね。

ミヤコヒキガエル

生態

分布・・・ 沖縄県、宮古島の固有種

池間島、宮古島、伊良部島、下地島など、宮古島諸島に生息、分布している

体長・・・ 6~11cm

エサ・・・ アリ、ダンゴムシ、ミミズ、バッタ など

生息場所・・・ 雑木林など

生活サイクル・・・

一年中活動しており、繁殖期9月〜3月ころ。温かい地域に生息しているため、冬眠する必要がない

一口メモ

日本で一番小さくカラフルで可愛らしいヒキガエルです。

絶滅危惧種に指定。

法律で捕獲や、宮古島からの持ち出しが禁止されています。

ペットショップなどで入手できるミヤコヒキガエルは、大東島などに生息する個体なので、飼育可能です。

レッドリストについては、環境省のページをご確認ください。

*¹ 出典:レッドリスト・レッドデータブック(環境省)

特徴と見分け方

・体色オレンジ明るい茶褐色をしており、カラーバリエーション豊富

・他のヒキガエルより小ぶりで、約1.5~2倍ほど体格差がある

ナガレヒキガエル

生態

分布・・・ 中部地方から紀伊半島にかけて分布 日本の固有種

体長・・・ 7〜16cm

生息場所・・・ 森林渓流など、やや標高が高い山間部

エサ・・・ ミミズ、ワラジムシ、昆虫、ナメクジ など

生活サイクル・・・ 活動時期は5月〜11月ごろ。気温が下がる11月ごろに冬眠する。繁殖期は3〜5月ごろで、流れが緩やかな場所に産卵する。

一口メモ

ヒキガエルのレア種なかなかお目にかかれない

泳ぎが上手で、木に登ることも。

渓流で育つオタマジャクシは、流されないよう常に岩に吸い付いている

※一部の地域では、絶滅危惧種に指定されており、捕獲採取が禁止されています。

絶滅危惧種指定されている地域

  • 富山県 絶滅危惧種
  • 奈良県 絶滅危惧種

絶滅危惧種指定されている地域

  • 岐阜県 絶滅危惧種
  • 福井県 絶滅危惧種
  • 滋賀県 絶滅危惧種
  • 和歌山県 絶滅危惧種

*¹ 出典:日本のレッドデータ検索システム(NPO法人)

特徴と見分け方

・鼓膜小さく不鮮明で、見つけづらい。もしくは鼓膜が無いように見える。

山間部渓流生息お腹は黄色っぽい

他のヒキガエルより足や、指が長い

泳ぎが上手

オオヒキガエル

生態

特定外来生物

原産国・・・ アメリカ、テキサス州南部から中米、南米北部

日本での分布・・・ 小笠原諸島(父島、母島)、大東諸島(北大東島、南大東島)、八重山諸島(石垣島、西表島、鳩間島)など

体長・・・ 9~25cm

生息場所・・・ 畑、民家の庭先など、開けた場所

エサ・・・ ミミズ、虫、小動物など、口に入るものは何でも食べる

日本最大最凶のヒキガエル

生活サイクル・・・ 一年を通して繁殖、活動する。12~1月が産卵のピーク

もともとは、サトウキビの害虫駆除のために輸入された。

生命力が強く、水温40℃以上の環境でもオタマジャクシがカエルに育つ

強力な毒を持ち、オオヒキガエル食べた動物大量死する事件も起きている。

ですがオオヒキガエル自体には何の罪もありません。

持ち込んだ、我々の責任です。

戒めとして、私自身も反省したいと思います・・・。

ところで、オオヒキガエル特定外来生物に指定されており、飼育、移動が禁止されています。

詳しくは環境省のページをご確認ください。

*¹出典:西表島のオオヒキガエル対策について(環境省)

特徴と見分け方

後頭部のコブ(耳腺)が大きく、太い

※オオヒキガエルは、他のヒキガエルとは圧倒的に「耳腺の大きさ」が違います。

全体的にゴツゴツした見た目で、迫力がある

耳腺の大きさオオヒキガエル(左側)ニホンヒキガエル(右側)

ウシガエルとヒキガエルの見分け方

ウシガエルヒキガエルは混同されがちですが、全く別種のカエルです。

簡単に見分ける方法

簡単に見分ける方法は、発見場所の質感です。

名前ウシガエル(左側)ヒキガエル(右側)
発見場所半水棲カエルで、池などの水面に浮かんでいる様子や、水辺で発見できる地上性カエルで、水辺から離れた雑木林など、陸上で発見できる
の質感素手で捕まえると、ぬめりが有り、ツルツルの皮膚している素手で捕まえると、皮膚はゴツゴツとしてぬめりは無く、全身にイボが有る

例外的にヒキガエルは、カエル合戦が行われる繁殖期には、池などの水辺に集まります。

生態を比較

どちらも夜行性で、冬は冬眠します。

詳しい生態を見ていきましょう。

名前ウシガエル(左側)ヒキガエル(右側)
原産国:
日本での分布:
・アメリカ北部〜中部が原産、外来種
・日本全域
・日本原産、固有種
・北海道本州四国九州
生息環境池や沼など、水辺を好む
トノサマガエルと同じ、半水棲のカエル
水辺から離れた陸地に生息
地上性のカエル
体長11cm~20cm6cm~18cm
エサザリガニ、カエル、ネズミなどダンゴムシ、ミミズ、コオロギなど
体色緑がかったまだら模様
腹はやや黄色い
茶褐色に黒い模様が入る
腹は白に黒い模様
外見の特徴ぬめりが有る、ツルツルした肌
鼓膜が非常に大きく、目の1.5倍ほど
全身にイボが有り、ゴツゴツした肌
鼓膜の大きさは目と同じか、目より小さい
水かき足の指が長く、水かきが発達している
泳ぐのが上手
足が太く短い、足の指も短い
泳ぐのは苦手
鳴き声ヴォー、ヴォー、と大きな声で鳴く
騒音公害として問題になったことがある
キュッキュッキュッ、と小さく鳴く
ほとんど鳴くことがない
毒性毒は無い神経毒が有る
食用にできる?
味は?
食用に輸入された経緯がある
魚と鶏肉の中間のような味
毒が有り、食用として推奨できない
苦い味。素人が調理するのは危険

ウシガエルは、特定外来生物に指定されています。

※特定外来生物は、捕獲、移動、飼育、販売などが禁止されています。

ウシガエルの扱いについては、下記のリンクページをご確認ください。

*¹出典:守ろう!生物多様性 定外来生物ウシガエル(環境省)

圧倒的なオタマジャクシ

名前ウシガエル(左側)ヒキガエル(右側)
体長13cm~15cm3cm~4cm
成長スピード6ヶ月〜8ヶ月
オタマジャクシのまま越冬
春にカエルになる
1ヶ月〜3ヶ月でカエルに

ウシガエルのオタマジャクシは、とにかく巨大です。

長さだけで比べれば、大人のヒキガエルとほぼ同じサイズです。

一方、ヒキガエルのオタマジャクシは3cm~4cmと小さく、真っ黒いのが特徴です。

まとめ

お疲れさまでした。 まとめを見ていきましょう。

オス、メスの見分け方・・・ オスは鳴き声を出し、指に黒っぽい抱きだこがある。

アズマヒキガエルニホンヒキガエルの見分け方・・・

鼓膜の大きさが、目と同じくらいならアズマヒキガエルの可能性が高い。

鼓膜の大きさが、目より明らかに小さい、または目から離れた位置にある場合は、ニホンヒキガエルの可能性が高い。

ヒキガエル探し方・・・ 時間帯は夜の20時〜24時ごろキャンプ場などの街灯周辺が狙い目

ウシガエルヒキガエルの見分け方・・・

ウシガエルは、水辺にいることが多く、触るとぬめりがあり、スベスベした肌質

ヒキガエルは、水辺から離れた陸地にいることが多く、全身にイボがあり、触るとゴツゴツした肌質

長文になってしまいましたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

あなたがヒキガエルを、より楽しむお手伝いができたなら幸いです。

ヒキガエル飼育について、詳しくはこちらの記事も参考にどうぞ

【ヒキガエル入門のすゝめ】飼育しやすく表情豊かな“のんびり屋さん”に癒されよう!