カブト・クワガタ|親子で楽しむ!夏の昆虫飼育ガイド決定版|カナブン・カミキリ
この記事では、「カブトムシ・クワガタムシ・カナブン・カミキリムシ」などを一緒に飼育する方法を解説します。
昆虫の詳しい生態は、こちらの記事をご覧ください→日本の「甲虫」図鑑【クワガタ・コガネムシ類】
はじめまして。館長のゆるとです!
カブトムシ・クワガタムシの飼育方法を知っている方は多いでしょう。
一方で、カナブン・カミキリムシなどいろいろな種類の昆虫を、1つの虫かごで飼育する方法は知っていますか?
子どもが昆虫を捕まえて、「お家で飼いたい!」と言い出すこともあるでしょう。
夏の昆虫飼育は、親子で楽しめる「最高のイベント」です。
この記事は、子供にも簡単な飼育ケージの作り方、飼育方法、楽しく観察するヒントなど、「夏の昆虫飼育」を満喫するためのガイド決定版です。
親子で夏を思いきり楽しみたい方は、ぜひ最後までお読みください。
それでは本文にレッツゴー!
飼育用品
最低限、必要な飼育用品です。こだわりたい方は、「プラスα」の項目もチェックしてください。
飼育ケージ
夏の昆虫を1〜2匹を飼育する場合は、ダイソーなどが販売する「23㎝×15㎝」のプラケースで十分です。
3匹以上を飼育したい方は、「45㎝×30㎝」など大型の飼育ケージを用意すると良いでしょう。
ちなみにクワガタムシのオスは、個別飼育をオススメします。ケンカした際に、相手の体に穴をあける場合があります。
下記はオススメの飼育ケージです。
ゼリー
昆虫たちのエサは、市販のゼリーがオススメです。
昆虫ゼリーは果物より安価で食べやすく、管理・保存も簡単です。
また「多頭飼い」を視野に入れると、昆虫により食性が分かれる「果物」は、上級者向けと言えます。
成虫の飼育だけなら、100円ショップのゼリーで十分飼育できます。
「もっと長生きの限界に挑戦したい」「産卵させたい」という方は、高たんぱくゼリーがオススメです。
床材
手入れが簡単で清潔な飼育ケージにしたい方は、「キッチンペーパー」がオススメです。
成虫のカブトムシなどは、暗い場所を好むだけで、基本的に土に潜りません。
ですので、飼育するだけなら土は必須ではありません。
またキッチンペーパーは、昆虫飼育の宿敵「コバエ」が発生しにくい点も魅力です。
掃除も簡単で、キッチンペーパーを取り換えるだけ。常に清潔な環境を維持できます。
とはいえ、見ごたえのある飼育ケージで観察したい気持ちもあるでしょう。
そんな時は、「昆虫マット」や「完熟腐葉土」をオススメします。
昆虫マットが「一部白くなっている」「開封したらにおいがする」場合は、1日〜2日ほど、土を天日干してから使用しましょう。
止まり木
止まり木は、100円ショップのもので十分でしょう。
止まり木の役割は、「転倒防止」と「バトル観察」です。
意外に「転倒防止」は重要で、ジタバタと起き上がれない時間が多いほど、体力を消耗して寿命が短くなります。
昆虫は飼育ケージをよじ登ろうとする習性があり、この時に高確率で転びます。
特にカブトムシは転びやすく、ホームセンターの売り場では、常に2匹くらいひっくり返っています。
「バトル観察」について、昆虫バトルは飼育観察の醍醐味でもあります。ぜひ「止まり木」で迫力満点なバトルを楽しんでください(詳しくは「楽しく観察するヒント」で解説します)。
自然の小枝などは、「ダニ」や「寄生虫」が付いている場合があるので注意しましょう。
プラスα
「もっと飼育にこだわりたい!」そんな方には、以下の道具をオススメします。
- 温度計、湿度計: 飼育ケージの状態をチェックできます
- 霧吹き: 湿度調節にはコレ一択
- 歯ブラシ: 昆虫に付いたダニや汚れを払います
- 菌糸瓶: カブトムシやクワガタムシが産卵したら、菌糸瓶で幼虫を育てます
産卵させる場合は、床材を「昆虫マット」にして、産卵を確認したら、卵を「菌糸瓶」に移動しましょう。
飼育ケージの作り方
「簡単飼育ケージ」と、「見ごたえ飼育ケージ」の2種類の作り方を解説します。
「簡単飼育ケージ」は、安い・清潔・管理が簡単なケージです。
「見ごたえ飼育ケージ」は、自然環境に近い・大迫力・観察がより楽しめるケージです。
ご家庭の状況に合わせてお選びください。
簡単飼育ケージ
用意する物:
- 飼育ケージ
- キッチンペーパー
- 止まり木
作り方:
- 飼育ケージにキッチンペーパーを敷く
- 止まり木を配置
- 完成!
見ごたえ飼育ケージ
用意する物:
- 飼育ケージ(大サイズ)
- 昆虫マット
- 止まり木(大1つ、小1つ)
- 霧吹き
- 温度、湿度計
作り方:
- 飼育ケージに昆虫マットを入れる。厚さは約5㎝
- 昆虫マットに、3回〜4回、霧吹きする(ビショビショにならないように注意)
- 止まり木(大)を飼育ケージに立てかけ、止まり木(小)を地面に置く
- 温度、湿度計を設置する
- 完成!
飼育環境と飼育方法
飼育環境について、「カブトムシ・クワガタムシ・カナブン・カミキリムシ」は、おおよそ以下の環境を好みます。
- 直射日光を避ける
- 通気性の良い場所
- 室温は、20℃〜25℃
- 湿度は、60%〜70%が理想的
- クーラーで冷えた部屋はNG
もちろん、最適な環境は昆虫によって違いますが、ゼリーを切らさず清潔な環境を保っていれば、短命に終わることはありません。
「簡単飼育ケージ」と「見ごたえ飼育ケージ」は、飼育方法が少し違います。
次の章を見ていきましょう。
簡単飼育ケージの飼育方法
簡単飼育ケージでは、基本的に「霧吹き不要」です。
水分は「昆虫ゼリーで十分補給できる」ので、過度な心配はいりません。
エサやり: ケンカしないように、飼育ケージの両端に、ゼリーのみを直置きします(ゼリー容器ごと入れると、不安定になり昆虫が食べづらくなります)。
掃除: 2日〜3日に1回、キッチンペーパーを取り替えます。ゼリーも新しいものに交換します。
飼育のコツと注意点:重要なのは「ゼリーを切らさない」「清潔に保つ」の2点です。
昆虫は体脂肪が少ないため餓死しやすく、いつでも栄養補給できる環境が必要です。
また飼育ケージを清潔に保つことで、病気やコバエの発生を防ぎ、長生きできます。
ゼリーで体がベトベトな昆虫がいたら、優しくふき取ってあげましょう。
見ごたえ飼育ケージの飼育方法
見ごたえ飼育ケージでは、定期的な昆虫マット交換が必要です。
エサやり: 毎日ゼリーの減り具合を観察し、2日〜3日に1回交換する。
掃除: 1週間〜2週間に1回、昆虫マットを入れ替える(昆虫マットは「燃えるゴミ」として捨てましょう)。
霧吹き: 湿度計や昆虫マットを観察し、60%〜70%を目安に霧吹きする
飼育のコツと注意点:重要なのは「ゼリーを切らさない」「清潔に保つ」ことですが、「コバエが湧きやすい」点に注意が必要です。
昆虫マットは汚れが目立ちにくいため、飼育ケージの「におい」に注意し、「清潔な環境」を維持してあげましょう。
コバエ対策には、「コバエホイホイ」がオススメです。
楽しく観察するヒント
同じ種類の昆虫でも、それぞれに「個性」があり、さまざまな表情を見せてくれます。
この章では、「楽しく観察するヒント」を紹介します。
エサの好みを調べる
いろいろな果物や、味が違う昆虫ゼリーを与えて、どのエサに人気があるか実験してみましょう。
同じ種類のクワガタやカナブンでも、味の好みはそれぞれ違う場合があります。
昆虫バトル
止まり木の中央にゼリーを置くなどして、昆虫同士のバトルを観察しましょう。
同じ種類だけでなく、「カブトムシVSクワガタムシ」のような、異種格闘技戦も大変見所があります。
注意点として、日ごろから同じ飼育ケージで飼育している場合、バトルしないこともあります(すでに勝敗がついているとバトルしません)。
昆虫たちは本気でバトルするので、傷を負うことがあります。
ライトで照らす
樹液に集まるような昆虫類は、光に向かって飛ぶ習性があります。
- 大きめの飼育ケージに入れる
- 上からライトで照らす
- 飛び上がる様子が観察できる
昆虫たちの飛び方の違いを観察してみましょう。
交尾行動の観察
同種の昆虫を飼育していると、交尾することがあります。
貴重なチャンスですので、交尾行動を見つけたら、よく観察してみましょう。
寿命について
夏の昆虫たち(成虫)は、ほとんどの種類が数週間〜2か月ほどと短命です。
種類ごとに、おおよその寿命を解説します。
カブトムシ
- メスの方が長寿な傾向がある
- オスの成虫寿命:1ヶ月〜2ヶ月
- メスの成虫寿命:2ヶ月〜3ヶ月
クワガタムシ
- 種類によって異なり、1ヶ月〜3年
- 長生きする種類:ミヤマクワガタ、オオクワガタ
- 短命な種類:ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタ
カナブン
- 短命な場合が多く、2週間〜2か月ほど
- 主な種類:アオカナブン、クロカナブン、カナブン
カミキリムシ
- 短命な種がほとんど、1週間〜1か月ほど
- 主な種類:ゴマダラカミキリ、ミヤマカミキリ、シロスジカミキリなど
寿命が長い昆虫は、朽木の中などで越冬します。
まとめ
この記事は、あなたとお子様に「夏の昆虫飼育を楽しんでほしい」「最高の思い出を作ってほしい」という気持ちで作りました。
本格的に飼育したい方には物足りなかったかもしれませんが、飼育のヒントや助けになれたなら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!