盲目の謎多き虫、ザトウムシ!クモとの違いや多彩な種類と生態!
こんにちは!生き物大好きゆるとと申します!
この記事では、ふとした時にたまに見つけるクモみたいな足が細長い謎の虫、ザトウムシについて知られざる生態や多彩な種類について紹介しています。それでは行ってみましょう!
ザトウムシの生態
分類・・・鋏角亜門、クモガタ類、ザトウムシ目の節足動物の総称
分布・・・日本全国で見られる
体長・・・3~12mm、体に比べ非常に長く細い脚を持っている
活動期間・・・3~11月、気温が下がると冬眠する
エサ・・・雑食性と肉食性がいる、虫の死骸、ミミズ、キノコなど動かない昆虫などを食べる
生息環境・・・渓流や森林など、自然環境が豊かな場所のジメジメした日陰を好む
一部市町村では準絶滅危惧種に指定されているものもいる
クモとの違い
ザトウムシはその長い脚と見た目から、クモの仲間だと勘違いされることがあります。しかし、特徴を良く比べるとクモとは全く違う虫だという事がわかります
ザトウムシ | クモ |
体の形は、頭、胸、腹が合わさって1つになっている | 体の形が頭と胸、腹の2つに分かれている |
目は2つ | 目は8つ |
糸は出せない | 糸を出す |
エサの体を噛みちぎりながら食べる | エサに消化液を注入して液体にして吸い取る |
直接つながって交尾する | オスは精子を袋に入れてメスに渡す |
無毒 | ほとんどの種類が毒を持つ |
毒の有無と危険性
変わった姿をした虫を見ると、毒や危険な虫なのでは?と思い浮かべることがあると思います。ザトウムシに毒はなく、日本にいる種類では噛みつくものもいません。針で刺したりすることも無く、動きもゆっくりしている人畜無害な虫です。
敵に襲われた際は、臭腺と呼ばれる部分から嫌なにおいを出し、死んだふりをします。それでもダメな場合は自分で足を切り離し、取れた足がぴくぴく動いて注意をひいている隙に逃げていきます。ちなみに取れてしまった足は再生しません。かわいそう。
盲目なの?名前の由来
ザトウムシに目はついていますが、明暗を感じる程度の視力で、何となく物体の輪郭がわかる程度しか認識できないようです。そのせいか特に長いく発達した第二脚を触覚のように使い、障害物やエサがないか探りながらふわふわと歩いていきます。この様子から、盲目の座頭が杖で足元を探りながら歩く姿に似ているため、「座頭虫」と名前がついたと言われています。
多彩な種類とクセの強いキャラクター
ザトウムシの歴史は古く、4億年以上も前の化石から発見されています。世界中にも広く分布していて、全体ではやく6400種、日本には約80種類が生息しており見た目や生態も多種多様です。
体色は、黒・茶色・赤・オレンジ・白・メタリックブルーなど様々で、体形は、クモに近い形・まん丸・大きなとげがある、など。足の長さも、細長いものから太くて短いものまでバリエーションに富んでいます。
歩行スピードに関しても、上下しながらふわふわとゆっくり歩くものから、米粒のようなものが高速で低空を飛んでいくように見えるほど早いものもおり、その人が住んでいる地域によってザトウムシのイメージが違うほど多彩です。
食べ物については、肉食で死んだ虫やミミズなどを食べる種類が多く、森の掃除屋と呼ばれることもあります。ですが、我らがザトウムシは食性も多彩です。特殊に進化した粘着性のある触肢でトビムシをくっつけて食べるものや、カタツムリを常食として殻ごとかみ砕いて食べるパワフルな種類、飛行中のハエを捕まえて食べる技巧派、光るキノコや菌類を食べるもの、などなど一つの種類でまとめていいのかと思うほど多様な進化をしています。
実は集団で行動する
ザトウムシは集団で行動する種類が多く、夜行性でジメジメした日陰を好みます。集団で行動する理由については、天敵から身を守るため、天候の影響を受けにくくするためなどと考えられています。
私は丸っこくてふわふわ歩くザトウムシが大好きですが、キャンプ場などのちょっとした木陰に、細長い髪の毛のような虫が大量にわさわさしていたらそっと立ち去りたくなります。身を守る作戦は大成功ですね。
飼育している愛好家も
ここまで読んでくださったあなたなら、もうザトウムシの魅力に取りつかれていることでしょう。同じように愛好家の方々もいらっしゃいます。
飼育環境は、湿度が高く日陰の涼しい場所を用意してあげるとよいでしょう。エサは昆虫の死骸など動かないたんぱく質を多く含むものが良いです。ビスケットで飼育している方もいると聞いたことがあります。
終わりに
なぞの多いザトウムシですが、愛好家の間では「森の妖精」と呼ばれることもあります。彼らの生態や魅力が少しでも分かっていただけたなら嬉しいです。最後まで読んでくださりありがとうございます。