カブト・クワガタ|昆虫採集はクヌギの木|見分け方や樹液酒場についても徹底解説!
はじめまして。館長のゆるとです!
子ども・大人を問わず、夏の昆虫採集は一大イベントですよね。
雑木林で「カブトムシ」や「クワガタムシ」を探すなら、クヌギの木から染み出る「樹液酒場」を見つけるのが近道です。
とはいえ、雑木林の知識がなくては探しようがありません。
- 雑木林で昆虫採集したい!
- そもそも雑木林って何?
- 樹液ってどんな木から出るの?
- 昆虫酒場って何?
この記事では、初心者の方向けに「雑木林」や「昆虫が集まる場所」、「採集の注意点」などを解説します。
ちなみに、「カブトムシ・クワガタムシの飼育方法」は、こちらの記事をご覧ください「カブト・クワガタ|親子で楽しむ!夏の昆虫飼育ガイド決定版|カナブン・カミキリ」
夏の昆虫採集を「完全攻略したい」というあなたは、ぜひ最後までお読みください。
それでは本文へレッツゴー!
雑木林とは?
雑木林・・・ドングリの木やブナの木など、主に広葉樹で構成されている。木材に向かない(価値の低い)木々が茂る森。
森林・・・杉やヒノキなどの針葉樹からなり、商用目的で植林された森。建築に用いられるなど、木材価値が高い木々で構成される。
まとめると、「主にドングリやブナの木で構成される森や林」が雑木林です。
昆虫が集まる木
カブトムシやクワガタムシは、ドングリが実る木に集まります。
具体的には、コナラ、ミズナラ、タチヤナギなどから出る「樹液」に昆虫が集まります。
樹液が出る木の中でも、クヌギは別格です。
クヌギは生命力が強く、樹液の量も多いのが特徴です。樹液をエサにしている昆虫たちにとって、クヌギは最高の「レストラン」でしょう。
クヌギの特徴
クヌギの特徴は、幹に縦の裂け目ができ、裂け目がオレンジ色である点です。
クヌギのドングリは丸型で、ライオンのタテガミのような帽子をつけます。
クヌギの生態:
ブナ科の落葉広葉樹で、ドングリは縄文時代から食用にされている。葉は光沢があり、先の尖った長細い楕円形で、縁にのこぎり状のギザギザが見られる。
- 分布・・・北海道、青森を除く本州・四国・九州・沖縄に自生
- 高さ・・・5~17m
- 開花時期・・・3~4月。雌花は小さく目立たない。雄花は10センチほどの黄色いひも状になって垂れ下がる
クヌギの見分け方
雑木林には、クヌギと幹がそっくりな木がいくつかあります。
この章では、クヌギの「そっくりさん」の見分け方を解説します。
コナラ
左がクヌギで、右がコナラの写真。
見分け方は、「葉っぱの形」です。
コナラの葉はひし形で、クヌギよりも葉っぱが短いのが特徴です。また、ドングリは細長い楕円形をしています。
クリとの違い
クリとクヌギは非常によく似ています。葉っぱの形も、幹の見た目もそっくりです。
クリの一番簡単な見分け方は、木の上方にある「緑のイガイガ」です。
クリのイガイガは春に形成されるため、夏にはかなり大きく成長しています。
木の周辺に「古いクリ」や「イガイガ」が落ちていれば、「クリの木」の可能性が高いです。
アベマキとの違い
アベマキもクヌギとよく似た葉を持ち、ドングリもクヌギに似た丸い実をつけます。
アベマキの特徴は樹皮で、触ると弾力がありブヨンとしています。「コルククヌギ」や「ワタクヌギ」と呼ばれることもあり、実際にコルクとして使われることも。
もう一つの見分け方は、葉っぱの裏を見ることです。
クヌギは「葉の裏側が緑色」なのに対し、アベマキは細かい毛が密集して生えているため、「葉の裏が白っぽい色」をしています。
ちなみに、クヌギの樹皮は、非常に硬くまったく弾力はありません。
樹液酒場の見つけ方
樹液が出ている木の中でも、特に昆虫が集まりやすい場所が、「樹液酒場」です。
樹液酒場を見つけるために、まずは「樹液が出ている木」の見つけ方を解説します。
樹液が出る木の見つけ方
具体的には、以下の点がヒントになります。
- 木の幹に「コブ」や「穴」がたくさんある
- 木の根元に、「木くず」がたくさん積もっている
- 木の周りに、ハチやチョウなどが飛び回っている
- 酸っぱいにおいがする
- 夜の方が、樹液が出やすく見つけやすい
樹液は主に、「カミキリムシの幼虫」が木を食べている場所から出ます。
そしてカミキリムシがいる木は、「コブ」や「穴」、「木くず」が見つかります。
つまり、木の幹に「コブ」「穴」「木くず」がある木は、樹液が出ている確率が高いです。
カミキリムシは、「森の入り口付近」や「林道沿い」の木などに産卵する傾向があります。
樹液酒場になる条件
樹液酒場とは「樹液が発酵している場所」のことで、上の写真のように樹液が白っぽくなり、酸っぱいにおいがします。
「樹液酒場の見つけ方」は、基本的に「樹液が出る木」と同じです。
具体的には以下の通りです。
- 樹液が染み出す場所が、白っぽくなっている
- ハチ、チョウなどの昆虫が、数多く飛び回っている
- 大量の樹液が出ている
- 酸っぱいにおいがする
つまり、「樹液酒場」は「ただの樹液」の上位互換といえます。
日中に探して見つからない場合は、夜に探してみると良いでしょう。
ライトで照らしながら探すと、昼間には気が付かなかった場所に樹液酒場があったりします。
ポイントや注意点
雑木林に入る場合は、以下のような服装を心がけましょう。
- 長袖、長ズボン(薄く涼しいものでもOK)
- 帽子
- 軍手
- 長靴
- 虫かご、虫あみ
- ライト
- 虫刺され用の薬
雑木林には、「蚊・アブ・毛虫・山ビル・マムシ・ハチ」など、危険な生物が多数生息します。できるだけ肌の露出が少ない恰好が安全です。
ライトは昆虫の発見率に大きく影響するため、高性能なライトが1つあると快適さが段違いです。
夜の昆虫採集のコツ
夜間採集のコツは、事前に下見しておくことです。
夜の森は視界が悪く、道に迷ったり転んでケガをしたりする危険があります。
そのため、昼のうちに危険な場所をチェックしたり、帰り道に目印をつけたりするなど、夜の危険を減らすことが大切です。
ハチの巣に注意
昼夜問わず、雑木林で最も危険な生物は「スズメバチ」です。
「スズメバチ」の中には、地中や朽木に巣を作る種類がいます。
うっかりハチの巣を踏みつけると、大量のスズメバチが襲い掛かってきます。
ハチの巣の近くには、10匹近くのスズメバチが飛び回っているため、簡単に見分けられるでしょう。しかし、夜はハチも静かになるので、ハチの巣を見つけるのは至難の業です。
明るいうちに、ハチの巣がありそうな場所を確認しておきましょう。
毒ヘビを警戒する
左が「マムシ」 右が「ヤマカガシ」
遭遇率はあまり高くないと思いますが、「マムシ」と「ヤマカガシ」に注意しましょう。
「マムシ」は基本的に夜行性で、「水辺の近く」や「木の根元」などに潜んでいます。枯葉に擬態しており、じっとしていることが多いため、知らずに近づいて噛まれることがあります。
「マムシがいそうな場所」では、長い棒でつついてから進むなど、近づかないように警戒しましょう。
「ヤマカガシ」はおとなしい性格で、基本的には人間を見つけると逃げていきます。捕まえたり踏んづけたりしない限り、噛まれることはないでしょう。
しかし、「ヤマカガシ」はマムシよりも強力な毒を持つヘビですので、いたずらに刺激しないようにしましょう。
単独で行動しない
特に夜間の森は、大人を含んだ複数人で探索しましょう。
人の目が多いほど昆虫を見つけやすく、危険も回避しやすくなるためです。
複数人がライトで照らすことで視界が広がり、暗い夜の森でも状況を把握しやすくなります。
大きなケガや、野生動物に襲われる危険もあるので、大人同士でも複数人での探索を心がけましょう。
まとめ
慣れないうちは、樹液酒場の発見が難しいこともあるでしょう。木の根元にあったり、手の届かない頭上にあったりします。
ですが「普通の樹液」と比べると、「樹液酒場」は段違いに昆虫が集まります。
昼夜問わず、樹液酒場にはいろいろな昆虫が集まるので、夏の昆虫採集を大いに楽しんでください。
この記事が少しでも、あなたのお役に立てたなら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。