【ヒキガエル入門のすゝめ】飼育しやすく表情豊かな“のんびり屋さん”に癒されよう!
こんにちは! 館長のゆるとです!
この記事はヒキガエル初心者の方が安心して飼育できるように、飼育のポイントや注意点などを詳しく解説しています。
- ヒキガエルが初心者にオススメな理由
- ヒキガエルの基礎知識
- エサの種類や飼育方法
- 飼育に必要な道具
- 冬の管理方法や飼育の注意点 など
ヒキガエルは犬や猫と全く違う生き物なので、始めて飼育する方は戸惑うこともあるでしょう。
ですが愛嬌のあるしぐさや豊かな表情など、ヒキガエルならではの魅力を堪能できるはずです。
中にはヒキガエルの魅力に取りつかれ、“ヒキガエル沼”にどっぷりハマってしまう方も(かく言う私もその一人です)。
ヒキガエルをもっと知りたい「あなた」には、ぜひ最後まで読んでいただきたい記事です。
それではいってみましょう!
ヒキガエルの生態
※アズマヒキガエルとニホンヒキガエルは、生態や見た目などの特徴がほぼ同じですので、本記事では同じ種類として解説しています。
アズマヒキガエル(ニホンヒキガエル)
- 分類・・・無尾目ヒキガエル科ヒキガエル属(日本の固有種)
- 分布・・・日本全国
- 体長・・・6~18㎝ほどの、大型のカエル
- 活動時期・・・4~11月(夜行性)
- エサ・・・昆虫、ダンゴムシ、ミミズ、クモ
- 寿命・・・10年ほど
- 生息環境・・・水辺から離れた雑木林や市街地、森林から海辺近くの山野など
- 繁殖期・・・2~5月
四肢は太く短く、ずんぐりした体形。動きは遅く、ジャンプ力も弱い。
地面を歩き回るタイプのカエル(地上棲のカエル)。川や水場から離れたところにいることが多く、乾燥に強い。
ちなみに、今回解説するアズマヒキガエルの他にも、日本のヒキガエルは約5種類ほどいます。
日本に生息するヒキガエルの種類について、詳しくはこちらの記事を参考にどうぞ→「【ヒキガエル】5種の見分け方と探し方!オスメスの判別やウシガエルとの違いも徹底解説!」
ヒキガエルの毒について
ヒキガエルは身の危険を感じると、体中にあるイボや後頭部の大きなコブから白っぽい粘液を出します。
この白っぽい粘液には「ブフォトキシン」という神経毒が含まれており、人の皮膚や粘膜につくと炎症を起こしたり、口に入ると嘔吐・下痢・心臓発作などを起こしたりする可能性があります。
しかし、ご安心を。
ヒキガエルは、掴んだりひっくり返したりする程度では毒を出しません。
私の場合、お世話する際に素手でヒキガエルを触っていますが、皮膚が炎症を起こしたことはなく、そもそも飼育下で白い粘液を出したことがないです。
故意に毒を出そうとしたり、ヒキガエルをよほど乱暴に扱ったりしなければ過度な心配は不要でしょう。
ただし、ヒキガエルに限らずですが生き物と触れ合った後は、必ず手洗いをしましょう。
初心者にオススメな理由
- 表情豊かで、のびのびした様子やしぐさがかわいい
- 個体ごとの個性が強く、多頭飼いが楽しい
- 日々のお世話が簡単で、飼育の手間が少ない
- 身体が丈夫で乾燥に強く、病気になりづらい
- 動きが遅いため、脱走を心配しなくてもよい などなど
日本のカエルの中でも、ヒキガエルはかなり丈夫な種類です。カエル飼育初心者でも育てやすいでしょう。
ヒキガエルが見せる表情やしぐさにはとても癒されるので、ぜひ、ゆっくり観察してみてください。
エサについて
ヒキガエルは食欲旺盛な肉食性のカエルです。
野外採集やペットショップなどで入手しやすいエサを選びました。
エサの種類
- コオロギ
- ディビア(エサ用のゴキブリさん)
- ミミズ
- ダンゴムシ
- カエル
- ネズミ
- 人口飼料(冷凍コオロギ、カエル用フードなど)
基本的にカエルは生きているエサしか食べないので、野外採取やペットショップでエサを入手しなければなりません。
ヒキガエルが人間やピンセットに慣れてくれれば、冷凍コオロギなどの動かないエサや、人口飼料なども食べるようになります。
ちなみに、エサの確保とエサ代節約のために、コオロギなどのエサ用昆虫も合わせて飼育・繁殖する方法もあり、カエル飼育でもメジャーな方法だったりします。
※ペットショップなどで購入できるエサについては、こちらの記事を参考にどうぞ→「ヒキガエルにおすすめのエサ5選!」
エサのあげ方
- コオロギやミミズなどをピンセットでつまんで、顔の前に持っていきます
- 顔の前でゆらゆらしてエサに注意をひきます
- そのまま目の前にエサを落としてやると舌を伸ばして食べてくれます
このようなやり方でピンセットに慣れてもらい、少しずつ生餌以外の餌付けも練習させるとよいでしょう。
注意点としてヒキガエルは個体差が大きく、偏食傾向が強かったりピンセットに慣れなかったりすることもあるので、そのヒキガエルに合った「エサの与え方」を見つけてあげてください。
人工飼料の餌付けは難易度が高いため、「簡単には食べてくれない」ことを前提に練習しましょう。
エサやりの量と頻度
- 1回で与えるエサの量は、コオロギ5〜10匹程度
- エサやりの頻度は、3日に1回が目安
カエルやエサのサイズにより1回の食事量が違うので、食べる様子をよく観察して、エサの量を調節しましょう。
飼育に必要な物
最低限、これだけは揃えたい飼育道具です。
飼育ケージ
通気性が良く、蓋付きで、最低限カエルが4匹入る程度の広さの飼育ケージが必要です(※飼育ケージには、隠れ家・水場・運動、の設置スペースが必要なため)。
目安としては、最低でも45㎝×45㎝ほどの大きさが良いでしょう。
注意点として、ヒキガエルは力が強く蓋を動かして逃げることがあるので、蓋に重しをすると良いです。
高さがある飼育ケージや、キチンと閉まる蓋があるなら重しはいりません。
水場
ヒキガエルは、お腹の皮膚と直腸から水分を吸収します。
ですので水場は、ヒキガエルの全身が入る程度の大きさが必要です。100円ショップのタッパーなどを使うことが多いです。
隠れ家
ヒキガエルが安心して生活するには、隠れ家が必要です。
外からのぞいても見えないように、全身が収まるサイズの隠れ家が必要です。植木鉢やペット用シェルターなどを設置しましょう。
床材
床材は、飼育ケージを清潔に保つために必要。床材にはペットシーツや、土(園芸用土やソイル)があります。
初心者にオススメな床材は黒土です。ヒキガエルは穴を掘るので、自然に近い環境を再現できストレスを軽減してくれます。
デメリットとしては、床材の廃棄が面倒な点です。廃棄する際は家庭用ごみ袋に入れ、燃えるゴミとして捨ててください。
ピンセット
エサを与えたり、フンを取り除いたりするのに使います。100円ショップのピンセットで十分です。
ヒーター(※冬眠させない場合)
ヒキガエル飼育では普通、冬眠させないで飼育します(私は毎年冬眠させますが・・・)。
パネルヒーターなどの床暖房を入れてあげるとよいでしょう。10℃を下回ると冬眠の準備に入るため、温度は15℃〜20℃程度保温できるヒーターが良いです。
飼育方法
- エサやりは、3日に1回程度。お腹が減ったころに、食べる分だけ与える
- 水入れは毎日、新鮮な水と交換する(水道水でOK)
- フンを見つけたら、すぐに取り除く(フンは人間の指の爪ほどある、黒い塊)
- 床材にペットシーツなどを使用した場合は、1週間ほどで交換する
- 床材に土を使用している場合は、1か月に1回を目安に交換する
ヒキガエルを元気に飼育するポイントは、飼育ケージを清潔に保つことです。
冬はどう飼育するの?
カエルは気温が10℃を下回ると冬眠の準備に入りますが、冬眠には死んでしまうリスクがあるため、ほとんどの場合ヒーターを使って越冬させます。
飼育ケージの温度を20℃前後に保ってあげれば、夏秋と同じような飼育方法でOKです。また、10~15℃の温度帯で代謝を落として飼育し、少量のエサで越冬させる方法もあります。
冬眠やヒーターについては、↓こちら↓の記事で詳しく解説しているので参考にどうぞ
「ヒキガエルを冬眠させるメリット・デメリット!冬眠方法も解説!」
「カエル飼育におすすめのヒーター5選!相性や口コミまとめも!」
ヒキガエル飼育の注意点
人間とヒキガエルが、楽しく共存するための注意点です。
犬や猫などのペットを飼っている方へ
ヒキガエルは敵に襲われたとき、体から神経毒を分泌します。犬や猫などのペットがヒキガエルにいたずらしたり口にくわえたりして、毒を飲み込んでしまうと命にかかわり大変危険です。
犬や猫などのペットがいる方は、ヒキガエルと接触しないように気を付けてください。
カエルは“懐く”のではなく“慣れる”生き物
カエルはコミュニケーションをとれるような懐く動物ではありません。最初から懐くのを期待して飼育しないほうが良いでしょう。
ヒキガエルとの接触は必要最低限を心がけ、触れ合うより見守るスタンスでいるほうが、ヒキガエルも人に慣れやすくストレスが少なくなります。
脱皮について
ヒキガエルは本当によく脱皮します。
脱皮直前は、体から汗をかいているように粘液を出しテカテカになります。準備ができたら後ろ足で背中を掻いて割れ目を作り、手や口で古い皮を引っ張り、食べながら脱皮します。
この脱皮の準備に入ったら、触ったり動かしたりせずに、終わるまでそっとしてあげてください。
脱皮について詳しくはこちらの記事を参考にどうぞ→「ヒキガエルの脱皮不全対策!脱皮の予兆とアフターケア!」
まとめ
- ヒキガエルのエサは、生きたエサを用意する
- コオロギなどエサ用の昆虫は、ペットショップや通販で購入できる
- 日々のお世話は、①3日に1回のエサやり、②毎日の水交換、③フンを見つけたら取り除く。
- 冬は、ヒーターを付けて越冬させる
ヒキガエルは大切に飼育すれば、10年以上長生きするそうです。かわいがってあげてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。