日本の「爬虫類」図鑑
日本に生息する「爬虫類の生態」をまとめたページです。
詳しい生態や飼育方法などは、以下のリンクからどうぞ。
詳しい生態やコラムはこちら→爬虫類(カテゴリー)
飼育方法はこちら→爬虫類の飼い方(トカゲ・ヘビなど)
ニホンカナヘビ
- 分類:爬虫綱、有鱗目、トカゲ亜目
- 学名:Takydromus tachydromoides
- 分布:北海道、本州、四国、九州とその周辺の島々
- 体長:18cm~25cm 体の3分の2ほどが尻尾
- 活動時期:4月~10月、気温が低下する11月~3月は冬眠する
- エサ:昆虫、クモ、ワラジムシ、など
- 寿命:野生下では5年~7年、飼育下では2~3年ほどが一般的
- 生息環境:平地の草原や藪地、低山地にある草や岩の間など
- 繁殖期:5月~8月
生態の特徴:
北海道から九州の各地に広く分布しており、昼間には草の上や岩の隙間などで日光浴を良く行うトカゲの一種。天敵に狙われた際には尻尾を自ら切り離して逃げることがある。
参考サイト:
- 広島大学デジタルミュージアム『ニホンカナヘビ』https://www.digital-museum.hiroshima-u.ac.jp/~main/index.php/%E3%83%8B%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%98%E3%83%93
- ウィキペディア『ニホンカナヘビ』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%98%E3%83%93
- 環境省『いきものログ』https://ikilog.biodic.go.jp/Investigation?invReq=life&life_id=96&eventremarks_id=56
コモチカナヘビ
- 分類:有鱗目、カナヘビ科、コモチカナヘビ属
- 学名:Zootoca vivipara
- 分布:北海道北部(幌延町、豊富町、稚内市、猿払村、浜頓別町)
- 体長:14cm~18cm(約半分~3分の2程度を尻尾が占める)
- 活動時期:気温が低下する9月〜10月頃から2月中旬頃までは土中で冬眠する。
- エサ:昆虫、クモ、等
- 寿命:不明
- 生息環境:湿原にある草藪、低木林など
- 繁殖期:6~7月ごろに2体~8体ほどの子供を産む
生態の特徴:
昼行性で、水辺や木の根元等に巣穴を持つ。高温または悪天候時には巣穴に潜っていると考えられている。気温が低い時期には体温調節のために日光浴をする。分布によって胎生か卵生かが異なっており、北海道やオーストリア等では胎生、フランス、スペインの一部では卵生になっている。
参考サイト:
- Web両爬図鑑『コモチカナヘビ』https://herpetology.raindrop.jp/zootoca_vivipara
- Wikipedia『コモチカナヘビ』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%A2%E3%83%81%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%98%E3%83%93
- 北海道レッドデータブック『コモチカナヘビ』http://rdb.pref.hokkaido.lg.jp/page/detail2.asp?spc=000000000000000000613&
アオカナヘビ
- 分類:爬虫綱、有鱗目、トカゲ亜目
- 学名:Takydromus smaragdinus
- 分布:沖縄諸島、奄美群島
- 体長:20cm~28cm、体長の75%ほどが尻尾
- 活動時期:春~秋に活動、気温が下がる冬季は土中で越冬する
- エサ:昆虫、クモ、ミミズ、など
- 寿命:不明、一般的には5年~10年とされる
- 生息環境:日当たりのよい平地の草原、森林における樹上
- 繁殖期:3月~8月
生態の特徴:
沖縄諸島、奄美群島に分布する固有種。主に平地で見られるが、木や草に尻尾を巻き付けることで低木へ上る場合もある。体色は緑色もしくは褐色が一般的で、個体や生息地による差が大きい。
参考サイト:
- wikipedia『アオカナヘビ』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AA%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%98%E3%83%93
- web両爬図鑑『アオカナヘビ』https://herpetology.raindrop.jp/takydromus_smaragdinus
オキナワキノボリトカゲ
- 分類:爬虫綱、有鱗目、トカゲ亜目
- 学名:Japalura polygonata polygonata
- 分布:奄美群島、沖縄諸島
- 体長:20cm~30cm
- 活動時期:通年(気温が下がる冬季は活動が鈍る)
- エサ:昆虫、クモ、等
- 寿命:不明(一般的には4年~5年とされる)
- 生息環境:平地から山地における森林の他、民家付近で見られることもある
- 繁殖期:3月下旬~8月に浅い土中へ1個~4個を産卵する
生態の特徴:
樹上性だが地面で活動することもあり、危険を感じた際には木の裏側へ回り込むようにして逃げていく。日陰を好み、あまり動かずに樹上にいることが多い。原産地の沖縄諸島では冬眠せず、落ち葉や枯れ枝などに隠れて越冬する。オスの個体は縄張りを持っており、同種のオス同士が遭遇すると互いに腕立て伏せのような動きで威嚇し合う。
参考サイト:
- 公益財団法人森林文化協会 グリーン・パワー『オキナワキノボリトカゲとセンダン』https://www.shinrinbunka.com/wgp/yanbarunomori/24528.html
- 国立環境研究所侵入生物データベース『オキナワキノボリトカゲ』https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/30280.html
- 沖縄県恩納村『身近な野生生物と保護 – 恩納村』https://www.vill.onna.okinawa.jp/userfiles/files/kouhoushi/2023/07/202307_P14.pdf
- 沖縄県『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)第3版-動物編-』https://www.pref.okinawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/004/628/hachuurui.pdf
グリーンアノール
- 分類:爬虫綱、有鱗目、トカゲ亜目
- 学名:Anolis carolinensis
- 分布:沖縄、小笠原諸島(原産国はアメリカ合衆国、キューバなど)
- 体長:雄は18cm~20cm、雌は12cm~18cm
- 活動時期:通年、但し気温が低い時期は動きが鈍くなる
- エサ:樹木上に生息する昆虫
- 寿命:飼育下では7年~8年
- 生息環境:主に森林の林縁部、農耕地、民家などにある樹木の上
- 繁殖期:3月~9月、卵は40日前後で孵化
生態の特徴:
昼は日当たりのよい場所、夜間は枝や葉の隙間で休息している。地上、樹上のどちらでも早く動き、数メートル離れた場所の昆虫でも狙う。沖縄、小笠原諸島全域に分布を広げており、2005年に特定外来生物に指定されている。
参考サイト:
- wikipedia『グリーンアノール』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%AB
- 国立環境研究所侵入生物データベース『グリーンアノール』https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/30100.html
- 『グリーンアノール 防除計画 – 沖縄県』https://www.pref.okinawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/004/820/05-06guri-nnano-ru.pdf
グリーンイグアナ
- 分類:爬虫綱、有鱗目、イグアナ科
- 学名:Iguana iguana
- 分布:石垣島北部(原産地は中央、南アメリカ)
- 体長:90cm~220cm(体長の2/3ほどを尻尾が占める)
- 活動時期:通年
- エサ:成体は基本的に植物食で、幼体は昆虫を食べることがある
- 寿命:野生下で約20年、飼育下で10年~15年
- 生息環境:熱帯雨林の水辺、樹上
- 繁殖期:2月~6月に地面を掘り、その中に10個~76個ほどの卵を産む
生態の特徴:
成体は基本的に樹上性で、地面に降りてくることは少ない。危険を感じた際には樹上から水に飛び込んで逃走を図る他、噛みつきや尻尾の打ちつけなどの手段で応戦することもある。尻尾を狙われた際には自切する場合があるが、基本的には再び生えてくる。
主な参考文献:緑書房『野外観察のための日本産爬虫類図鑑 第3版』
参考サイト:
- Wikipedia『グリーンイグアナ』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%A4%E3%82%B0%E3%82%A2%E3%83%8A
- 国立環境研究所侵入生物データベース『グリーンイグアナ』https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/30320.html
- ナショナル ジオグラフィック日本版サイト『グリーンイグアナ』https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20141218/429003
- Web両爬図鑑『グリーンイグアナ』https://herpetology.raindrop.jp/iguana_iguana
- 東京ズーネット『高齢動物のよりよいくらしのために──グリーンイグアナの飼育の工夫─上野 2022/03/31』https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=&link_num=27339
ニホンヤモリ
- 分類:爬虫綱、有鱗目、トカゲ亜目
- 学名:Gekko japonicus
- 分布:本州(秋田県以南)、四国、九州、対馬
- 体長:10cm~14cm
- 活動時期:冬季には土に潜って冬眠する
- エサ:昆虫、クモ、ワラジムシ、など。孵化直後の同種を捕食する場合もある
- 寿命:5年~10年
- 生息環境:木造家屋とその周辺、地域によっては沿岸部の岩場でも見られる
- 繁殖期:5月から9月に合計1回から3回、毎回2個の卵を産む。孵化までは1か月半から2か月ほど、卵の孵化温度によって孵化までの日数と雌雄の割合が偏る。
生態の特徴:
夜行性、昆虫を捕食するため灯火の周辺に現れやすい。捕食者に狙われたり驚いたりした際に尻尾を自ら切り離すことがある。四肢の裏には微細な毛が密集しており、滑らかな壁面に四肢の裏を吸着させて移動できる。
参考サイト:
- Wikipedia『ニホンヤモリ』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%A4%E3%83%A2%E3%83%AA
- 国立環境研究所侵入生物DB『ニホンヤモリ』ttps://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/30160.html
- 広島大学デジタル博物館『ニホンヤモリ』https://www.digital-museum.hiroshima-u.ac.jp/~main/index.php/%E3%83%8B%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%A4%E3%83%A2%E3%83%AA
タワヤモリ
- 分類:爬虫綱、有鱗目、ヤモリ科
- 学名:Gekko tawaensis
- 分布:近畿、四国、九州
- 体長:9cm~12cm
- 活動時期:11月頃になると岩の隙間に入って冬眠する
- エサ:小型の昆虫
- 寿命:不明(近縁種のニホンヤモリは5年~10年)
- 生息環境:海岸、丘陵地などにある乾燥した岩場
- 繁殖期:6月下旬〜8月上旬、日当たりが良い岩場の隙間へ2個産卵する。
生態の特徴:
夜行性で、昼間は涼しい岩の割れ目に潜んでいる。冬眠時に複数の個体が群れたり、複数の個体が同じ岩場に産卵したりするなど、複数の個体が集まることが多いとされる。四肢の裏面には微細な毛が密集しており、垂直な壁面でも登れる。地域の言い伝えでは毒を持つと誤解されている情報があるが、実際には無毒。
参考サイト:
- Wikipedia『タワヤモリ』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%AF%E3%83%A4%E3%83%A2%E3%83%AA
- Web両爬図鑑『タワヤモリ』https://herpetology.raindrop.jp/gekko_tawaensis
- 広島大学デジタルミュージアム『タワヤモリ』https://www.digital-museum.hiroshima-u.ac.jp/~main/index.php/%E3%82%BF%E3%83%AF%E3%83%A4%E3%83%A2%E3%83%AA
- 大分県ホームページ『タワヤモリ』https://www.pref.oita.jp/10550/reddata2011/06/hc003.html
ミナミヤモリ
- 分類:爬虫綱、有鱗目、ヤモリ科
- 学名:Gekko hokouensis
- 分布:九州南部、大隈諸島、トカラ諸島、奄美諸島、沖縄諸島、など
- 体長:10cm~13cm、オスと比較してメスの平均サイズが少し大きい
- 活動時期:通年
- エサ:昆虫、トカゲの幼体、等
- 寿命:不明(近縁種であるニホンヤモリの寿命は5年~10年)
- 生息環境:二次林や防風林などの樹木、夜間照明のない建物など
- 繁殖期:4月下旬~8月上旬に年2回、1回あたり2個の卵を木の隙間に産みつける
生態の特徴:
夜行性で昼間には樹皮の下や建物の陰などに隠れている。孵化後1年〜2年ほどで成熟し、一定の大きさに達した後は成長が鈍る。指の裏側は指下薄板にほとんど覆われており、小判型に見えることが特徴とされている。
主な参考文献:緑書房『野外観察のための日本産爬虫類図鑑 第3版』
参考サイト:
- Wikipedia『ミナミヤモリ』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%9F%E3%83%A4%E3%83%A2%E3%83%AA
- Web両生類爬虫類図鑑『ミナミヤモリ』https://herpetology.raindrop.jp/gekko-hokouensis
- 国立環境研究所侵入生物データベース『ミナミヤモリ』https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/30170.html
ヤクヤモリ
- 分類:爬虫綱、有鱗目、ヤモリ科
- 学名:Gekko yakuensis
- 分布:九州南部および周辺の島嶼(屋久島、種子島、馬毛島、等)
- 体長:10cm~14cm、尻尾が体長の半分程度を占める
- 活動時期:3月~9月
- エサ:昆虫
- 寿命:不明 (ヤモリの一般的な寿命は5年~10年)
- 生息環境:広葉樹林とその周辺、民家周辺、沿岸部
- 繁殖期:6月~9月、1回当たり2個の卵を産む
生態の特徴:
夜行性、昼間は樹木の隙間に潜む。ミナミヤモリと分布が競合しており、九州南部では交雑種が広く発生している。夏季には活動が活発化し、多くの個体が見られる。ヤクヤモリは鼻の間にある鱗がミナミヤモリより大きく、上記2種を見分ける場合の目安になりやすい。
参考サイト:
- Wikipedia『ヤクヤモリ』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%82%AF%E3%83%A4%E3%83%A2%E3%83%AA
- 防衛省『6.11 陸域動物』https://www.mod.go.jp/rdb/kyushu/contract/construction/kumamoto/hyoukasyo/pdf/hyoukasyo_059.pdf
- Web両爬図鑑『ヤクヤモリ』https://herpetology.raindrop.jp/gekko_yakuensis
クメトカゲモドキ
- 分類:爬虫綱、有鱗目、トカゲモドキ科
- 学名:Goniurosaurus kuroiwae yamashinae
- 分布:久米島
- 体長:12cm~14cm
- 活動時期:通年(気温が低下する冬季は活動が鈍る)
- エサ:昆虫
- 寿命:不明(近縁種のヒョウモントカゲモドキは15年ほど)
- 生息環境:山地における常緑広葉樹林、石灰洞、二次林など
- 繁殖期:6月中旬〜7月中旬にかけて1回あたり2個の卵を産む。
生態の特徴:
クロイワトカゲモドキの亜種であり、久米島のみに分布する固有種。夜行性で、樹林や洞窟など湿潤な環境に生息する。細長い尾を持っており、敵に対しては尾を振り上げて威嚇する。危険を感じると尾を自切し、その後に再生尾が生えてくる。
主な参考文献:緑書房『野外観察のための日本産爬虫類図鑑 第3版』
参考サイト:
- Web両爬図鑑『クメトカゲモドキ』https://herpetology.raindrop.jp/goniurosaurus_kuroiwae_yamashinae
- オキナワイキモノラボ『クメトカゲモドキ』https://biodiversity.okinawa/video_pages/reference/kumetokagemodoki.html
- オキナワイキモノラボ『クロイワトカゲモドキ』https://biodiversity.okinawa/video_pages/reference/kuroiwatokagemodoki.html
- ジェックス株式会社『ヒョウモントカゲモドキ (レオパ)の飼育におすすめのケージは?』https://www.gex-fp.co.jp/exoterra/breed/leopardgecko/leopardgecko_sub2/leopardgecko_02-002
アオダイショウ
- 分類:爬虫綱、有鱗目、ヘビ亜目
- 学名:Elaphe climacophora
- 分布:北海道、本州、四国、九州とその周辺島嶼など
- 体長:110cm~192cm
- 活動時期:5月~10月
- エサ:鳥類、哺乳類など。幼蛇はトカゲ、カエルを主に捕食する
- 寿命:約20年
- 生息環境:森林、畑、堤防、人家周辺など
- 繁殖期:7月〜8月に朽ちた木や岩の下などに4個〜17個の卵を産みつける。
生態の特徴:
昼行性で、活動中は樹上に上ったり地面で日光浴していたりする。夜間は地面にある穴や岩の隙間などで休む。腹板の両端にある腹鱗は「クライミングキール」と呼称されており、腹鱗を引っかけることで樹木や民家の壁面などを這い上って移動できる。また、危険を感じると総排出口から独特な臭いを放出する。
主な参考文献:関 慎太郎『野外観察のための日本産爬虫類図鑑 第3版』
参考サイト:
- Wikipedia『アオダイショウ』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AA%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A6
- 国立環境研究所侵入生物データベース『アオダイショウ』https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/30300.html
- 国土交通省九州地方整備局『は虫類 アオダイショウ』https://www.qsr.mlit.go.jp/chikugo/siryo/02-kawa/01_chikugo/hatyurui/aodaisyou.html
- 札幌市円山動物園『アオダイショウ』https://www.city.sapporo.jp/zoo/096-j.html
ヤマカガシ
- 分類:爬虫綱、有鱗目、ナミヘビ科
- 学名:Rhabdophis tigrinus
- 分布:本州、四国、九州とその周辺島嶼(佐渡島、隠岐島、壱岐島、五島列島、屋久島など)
- 体長:70cm~150cm
- 活動時期:4月~11月
- エサ:カエル、オタマジャクシ、ドジョウ、トカゲ類など
- 寿命:6年~7年
- 生息環境:低地から山地における水田、湿地、川の周辺など
- 繁殖期:6月~8月に2個~40個ほどを産卵する
生態の特徴:
昼行性で、主に地上で日光浴やエサ集めをする。主にカエル類を好んで捕食する他、ドジョウやトカゲなどを捕食することもある。上顎の奥に毒牙を持っている他、頸部皮下に毒腺を持つ。毒腺には捕食したヒキガエル類から得た毒素が蓄積されており、頸部を圧迫されると皮膚が破れて毒を飛ばすことがある。
主な参考文献:関 慎太郎『野外観察のための日本産爬虫類図鑑 第3版』
参考サイト:
- Wikipedia『ヤマカガシ』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%82%AB%E3%82%AC%E3%82%B7
- 久喜市『ヘビを見かけたときの対応について』https://www.city.kuki.lg.jp/smph/kurashi/kankyo_animal/gaichu_choju/a1000400102022070813.html
- 北海道ブルーリスト『ヤマカガシ』http://bluelist.pref.hokkaido.lg.jp/db/detail_print.php?k=03&cd=9
- Web両爬図鑑『ヤマカガシ』https://herpetology.raindrop.jp/rhabdophis_tigrinus
- 面河山岳博物館へようこそ!『ヤマカガシの威嚇姿勢』https://blog.goo.ne.jp/omohaku582130/e/1ba3b4d7ab76c88f5ee08acc43dd229b
ジムグリ
- 分類:爬虫綱、有鱗目、ヘビ亜目、ナミヘビ科
- 学名:Euprepiophis conspicillatus
- 分布:北海道、本州、四国、九州、伊豆大島、五島列島、屋久島など
- 体長:70cm~100cm
- 活動時期:4月~10月
- エサ:ネズミ、モグラなどの小型哺乳類
- 寿命:10年~20年
- 生息環境:丘陵地から山地における森林、耕作地、草原など
- 繁殖期:6月~8月に2個~8個の卵を産む
生態の特徴:
半地中性で、主に森林の地面や岩の下などによく潜る。高温環境が苦手で、気温が比較的低い朝、夕方に活動が活発化する。気温が上昇しやすい夏季、冬眠する冬季には活動が鈍化する。活動時には哺乳類を捕食対象とし、とくにネズミの幼体を好んで捕食する。毒は持たないが、危険を感じると総排出口から独特な臭いを漂わせる。
主な参考文献:関 慎太郎『野外観察のための日本産爬虫類図鑑 第3版』
参考サイト:
- Wikipedia『ジムグリ』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A0%E3%82%B0%E3%83%AA
- Web両爬図鑑『ジムグリ』https://herpetology.raindrop.jp/euprepiophis_conspicillatus
- 種の解説|福岡県レッドデータブック『ジムグリ』https://biodiversity.pref.fukuoka.lg.jp/rdb/rdbs/detail/200100672
- 石川流域生きものミュージアム『ジムグリ』https://9351669103.amebaownd.com/posts/8066207
- 札幌市円山動物園『ジムグリ』https://www.city.sapporo.jp/zoo/077-j.html
アカマタ
- 分類:爬虫綱、有隣目、ヘビ亜目、ナミヘビ科
- 学名:Dinodon semicarinatum
- 分布:奄美大島、沖縄諸島
- 体長:80cm~180cm、オスの個体のほうが大きくなる
- 活動時期:通年にわたり活動するが、気温が低い時期は動きが鈍くなる
- エサ:哺乳類、鳥類、カエル、魚類、爬虫類など
- 寿命:10年
- 生息環境:平地から山地における砂浜、森林、草原など
- 繁殖期:6月~7月に4個~19個を産卵する
生態の特徴:
夜行性で気性が荒く、小型のハブや孵化後のウミガメ幼体を捕食することがある。繁殖期には他のヘビ類と同様、オス同士がメスを巡って争うコンバットダンスと呼ばれる儀式的闘争を実施する。その他、アカマタの特徴として、エサの獲得を巡ってコンバットダンスした事例がある。毒は持たず、攻撃を受けた際には肛門付近の臭腺から臭い液を放つ。
参考サイト:
- wikipedia『アカマタ』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%83%9E%E3%82%BF
- 大阪市立自然史博物館『エサ資源をめぐるアカマタの闘争』https://movspec.omnh.jp/ethol/showdetail.php?movieid=momo031023ds01b
- Web両生類爬虫類図鑑『アカマタ』https://herpetology.raindrop.jp/lycodon-semicarinatus
- インターネット動物園『アカマタ』https://pz-garden.stardust31.com/hacyuurui/hebi/namihebi-ka/akamata.html
ブラーミニメクラヘビ
- 分類:爬虫綱、有鱗目、ヘビ亜目、メクラヘビ科
- 学名:Ramphotyphlops braminus
- 分布:長崎県、静岡県、八丈島、小笠原諸島、奄美大島、沖縄諸島など(原産国不明)
- 体長:16cm~22cm
- 活動時期:沖縄では通年にわたって活動する。他地域では不明
- エサ:アリ類およびシロアリの卵と蛹
- 寿命:不明
- 生息環境:草地、サトウキビ畑などにある倒木、岩石の下など
- 繁殖期:6月中旬~7月中旬に1個~6個の卵を産む
生態の特徴:
オスの個体が存在せず、メスの個体が単為生殖することが特徴。短い尾は先端が尖っており、捕まえると尾で刺してくる場合がある。ミミズと似た外見だが、当該種には体表に鱗がある、口がある、環節が無いなどの点で区別できる。主なエサとなるアリやシロアリの卵、蛹は主に地中で採食する。
主な参考文献:関 慎太郎『野外観察のための日本産爬虫類図鑑 第3版』
参考サイト:
- Web両生類爬虫類図鑑『ブラーミニメクラヘビ』https://herpetology.raindrop.jp/indotyphlops_braminus
- Wikipedia『ブラーミニメクラヘビ』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%83%A1%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%98%E3%83%93
- 国立環境研究所侵入生物データベース『ブラーミニメクラヘビ』https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/30110.html
サキシマスジオ
- 分類:爬虫綱、有鱗目、ヘビ亜目、ナミヘビ科
- 学名:Elaphe taeniura schmackeri
- 分布:宮古諸島、八重山諸島
- 体長:130cm~250cm
- 活動時期:通年にわたって活動する。
- エサ:鳥類、小型哺乳類、爬虫類、両生類、など
- 寿命:15年以上
- 生息環境:自然林、二次林、低木林、耕作地など
- 繁殖期:6月~7月に6個~11個を産卵する
生態の特徴:
大型の個体は250cmに達することがあり、国内では最も大きなヘビの一種。毒は無い。民家の周辺に現れることがあり、近年では道路舗装が進んだことで自動車に轢かれる場合があり、個体数が減少している。
主な参考文献:
- wikipedia『スジオナメラ』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%B8%E3%82%AA%E3%83%8A%E3%83%A1%E3%83%A9
- Web両爬図鑑『サキシマスジオ』https://herpetology.raindrop.jp/elaphe-taeniura-schmackeri
- pepy『スジオナメラの繁殖まとめ。交尾や産卵の時期、幼ヘビは?』https://er-animal.jp/pepy/26802
- moirering.com『ナミヘビの飼育/繁殖記録』https://www.moirering.com
ニホンマムシ
- 分類:爬虫綱、有鱗目、ヘビ亜目、クサリヘビ科
- 学名:Gloydius blomhoffii
- 分布:北海道、本州、四国、九州、佐渡、隠岐、壱岐、五島列島など
- 体長:40cm~65cm
- 活動時期:4月〜10月。11月〜翌3月は冬眠する。基本的に夜行性
- エサ:哺乳類、鳥類、魚類、両生類、など
- 寿命:7年~10年
- 生息環境:平地から山地における草藪、森林、水田、湿地など
- 繁殖期:2年~3年に一度、8月~10月に5匹~6匹の幼蛇を産む
生態の特徴:
鼻孔と目の間にピット器官を持ち、生物が発する赤外線を感知して暗闇環境下でも獲物の位置を認識できる。マムシは卵ではなく、直接子供を産む卵胎生で、幼蛇の成長を促進するために日光浴をする。毒ヘビで、ハブよりも強力な出血毒を持つ。
主な参考文献:関 慎太郎「野外観察のための日本産 爬虫類図鑑 第3版」
参考サイト:
- Wikipedia『ニホンマムシ』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%A0%E3%82%B7
- 愛媛県レッドデータブック | 爬虫類・両生類 『ニホンマムシ』https://www.pref.ehime.jp/reddatabook2014/detail/03_08_000980_4.html
- 広島大学デジタルミュージアム『ニホンマムシ』https://www.digital-museum.hiroshima-u.ac.jp/~main/index.php/%E3%83%8B%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%A0%E3%82%B7
- 学校法人玉川学園『ニホンマムシ』https://www.tamagawa.jp/education/serial/friends/bn_202312.html
- Web両爬図鑑『ニホンマムシ』https://herpetology.raindrop.jp/gloydius_blomhoffii
ハブ
- 分類:爬虫綱、有鱗目、クサリヘビ科、マムシ亜科
- 学名:Protobothrops flavoviridis
- 分布:沖縄諸島、奄美諸島
- 体長:100cm~220cm
- 活動時期:通年にわたって活動。ただし冬季には活動が鈍化する。
- エサ:哺乳類、鳥類、カエル、トカゲ、など
- 寿命:飼育下では21年生きた例がある
- 生息環境:平地から山地における森林、海岸、草原、畑、民家周辺など
- 繁殖期:7月~8月に5個~15個の卵を産む
生態の特徴:
夜行性で、日中は穴の中に隠れている。森林や草原など、主な捕食対象となるネズミが生息するところに出没しやすい。気性が荒く、近づいた対象に咬みつく。咬む際には体の上部を縮めて構え、素早く伸ばしてくる。孵化してから2年〜3年で1メートルほどになり、以降は1年に2回〜3回ほど脱皮する。
参考サイト:
- wikipedia『ハブ(動物)』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%96_(%E5%8B%95%E7%89%A9)
- 沖縄県公式ホームページ『ハブについて』https://www.pref.okinawa.jp/kurashikankyo/petgaiju/1018721/1005847.html
- 沖縄県公式ホームページ『「ハブに注意!」リーフレット 』https://www.pref.okinawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/005/847/habunityuui_leaflet.pdf
- 国土交通省『Snakes | Search Details | Japan Tourism Agency』https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/en/R4-00472,html
ヒャン
- 分類:爬虫網、有鱗目、ヘビ亜目、コブラ科
- 学名:Sinomicrurus japonicus
- 分布:奄美大島、与路島、請島、加計呂麻島
- 体長:30cm~60cm
- 活動時期:通年にわたって活動する
- エサ:小型のヘビ、トカゲなど
- 寿命:約10年
- 生息環境:自然林や二次林の林床など
- 繁殖期:6月に2個~4個を産卵する
生態の特徴:
主に湿潤な環境に生息するが、やや乾燥した環境にいる場合もある。牙に神経毒を持ち、毒性はハブより強い。一方で大人しい性質であり、人にとっての危険性は低いと考えられている。掴まれると尖った尾の先端を相手に押し付ける、もしくは総排出孔から生臭い液体を放って逃走を図る。
主な参考文献:関 慎太郎「野外観察のための日本産爬虫類図鑑第3版」
参考サイト:
- 天城町 文化遺産データベース「ヒャン ( Japanese coral snake ) 」https://jmapps.ne.jp/amagi/det.html?data_id=5727
- Web両爬図鑑『ヒャン』https://herpetology.raindrop.jp/sinomicrurus_japonicus_japonicus
- wikipedia『ヒャン』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%A3%E3%83%B3
- 爬虫類大図鑑「【ヒャン(毒蛇)の生態!】生息地や最大の大きさについて等5個のポイント!」https://hachurui-japan.com/7878/.html
- 琉球新報「「冬でも冬眠しない。注意して」 那覇の街中でハブ捕獲 浦添でも発見 沖縄」https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1626502.html
ヒロオウミヘビ
- 分類:爬虫綱、有隣目、ヘビ亜目、コブラ科
- 学名:Laticauda laticaudata
- 分布:琉球列島(屋久島以南)
- 体長:70cm~120cm
- 活動時期:不明
- エサ:アナゴ、ウツボなど
- 寿命:不明(ウミヘビの一般的な寿命は約20年)
- 生息環境:海洋、海岸
- 繁殖期:海岸にある岩の割れ目、洞窟などで8月~9月に1個~7個を産卵する
生態の特徴:
夜行性で、昼間は海岸にある岩の割れ目で休む。餌を集める時に海へ潜り、休息、バスキング、消化などは陸地で行う。ウミヘビ種に共通する特徴として非常に強い毒を持っており、獲物を噛んだ際に毒を注入する。気質は大人しいが、手で触ったり掴んだりした場合には噛まれるリスクがある。
主な参考文献:関 慎太郎「野外観察のための日本産爬虫類図鑑第3版」
参考サイト:
- Wikipedia『ヒロオウミヘビ』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%AD%E3%82%AA%E3%82%A6%E3%83%9F%E3%83%98%E3%83%93
- Web両爬図鑑『ヒロオウミヘビ』https://herpetology.raindrop.jp/laticauda_laticaudata
- 吉野熊野国立公園宇久井ビジターセンター『ヒロオウミヘビ』https://www.ugui-vc.jp/zukan/detail/1010
- 阿嘉島臨海研究所『ウミヘビ学入門』https://www.amsl.or.jp/midoriishi/0507.pdf
- KAKEN『18570090 研究成果報告書 – KAKEN』https://kaken.nii.ac.jp/en/file/KAKENHI-PROJECT-18570090/18570090seika.pdf