見つけに行こう!宝石のような昆虫5選|捕獲難易度ランキング
はじめまして。館長のゆるとです!
昆虫採集に出かけると、稀に宝石のような輝きを持つ昆虫を見かけることはありませんか?
昆虫図鑑では、海外の美しい虫、珍しい虫がクローズアップされやすいですが、日本でも、身近な場所に美しい昆虫が生息しています。
今回は、そのような宝石のような輝きを放つ昆虫を、捕獲難易度順に紹介します。
それではいってみましょう!
難易度☆ アオオサムシ
- 体長・・・3センチ前後、翅は退化して飛べない
- 生息地・・・中部地方以北
- 出現時期・・・4~10月 成虫で越冬するため冬でも見つけられないことはない
- 活動する時間・・・主に夜行性ですが、暗い林道などでは昼でも見かけることがあります。
アオオサムシは見る角度によりグリーン・レッド・ブルーと複雑な光沢を放ちます。また大きな牙を持っており重厚感のある鎧のようなボディが特徴で愛好家が多くいます。
アオオサムシは肉食で、昆虫やミミズ、動物の死肉などを食べます。
見つけ方
一番簡単な方法は、トラップで捕まえることです。
- 大きめのペットボトルの胴体の上のほうを切り取ります。
- 釣具屋などで売っている「さなぎ粉」または、腐った魚の肉などをペットボトルに入れます。
- 明るいうちに公園などの林の中にペットボトルを埋め、歩いているアオオサムシが落っこちるようにセッティングします。
- 一晩たったら見に行ってみましょう!
注意点:
トラップには、オサムシ・ゴミムシ・シデムシなどの「地面を徘徊する昆虫」が集まります。
これらの昆虫の一部は、大きな牙で噛み付いたり、おしりから毒液を飛ばしたりします。
特に毒液が目に入ると大変危険なので、捕まえるときはゴム手袋・眼鏡をかけましょう。
もしも皮膚についた場合は、すぐに水で洗い流し、抗ヒスタミン成分の入った虫刺され薬を塗りましょう。
目に入った場合や、痛みが引かないときは、病院で診察を受けてください。
難易度☆☆ アカスジキンカメムシ
- 体長・・・2センチ前後 あまり臭くない
- 生息地・・・本州・四国・九州
- 出現時期・・・6月〜8月
- 活動する時間・・・日が出ている間
アカスジキンカメムシはグリーンに輝くボディに赤いラインが美しい昆虫です。
見つけ方
餌はミズキ系の葉や果実を好むようで、ハナミズキやヤマボウシの木を探すとよいでしょう。
特に、葉っぱの表裏や果実を観察して探すことです。
発見しやすい場所は、ブナの広葉樹林や雑木林です。
注意点:
アカスジキンカメムシは、死ぬと美しい光沢が失われ、黒っぽいくすんだ色になってしまいます。優しく捕まえてあげましょう。
ちなみに、アカスジキンカメムシの幼体は、パンダのような白黒模様をしています。
難易度☆☆☆ チョウトンボ
- 体長・・・翅を除いた体長は2センチ前後
- 生息地・・・本州、四国、九州
- 出現時期・・・6月〜9月
- 活動する時間・・・日が出ている間
世界一美しいトンボともいわれるのがチョウトンボで、名前の通りチョウのようなひらひらとした飛び方をするのが特徴です。
見つけ方
水草や水生生物などの豊かな川や沼に住んでいますが、そういった環境が失われつつあるため普通のトンボとくれべ発見するのは難しいでしょう。
注意点
関東など一部の地域では、絶滅危惧種に認定されている場所もあるので捕獲はしないほうが良いでしょう。
難易度☆☆☆☆ ハンミョウ
- 体長・・・2センチ前後
- 生息地・・・本州・四国・九州
- 出現時期・・・4月〜10月
- 活動する時間・・・日が出ている間
ハンミョウは目の覚めるようなブルーに赤と緑の紋が入り、白いワンポイントをまとったおしゃれで美しい昆虫です。
ハンミョウは肉食性で、他の昆虫などに超スピードで襲い掛かるハンターです。
ハンミョウは獲物を見つけると、俊敏な動きで一気に間合いを詰め、巨大なアゴで食らいつきます。
そのスピードは時速80kmとも言われており、英名は「虎」を意味する「タイガービートル」と呼ばれています。
また、人が近づくと少し飛んで離れ、また近づくと飛んで、と少しずつ前に進んでいくので「ミチオシエ(道教え)」と呼ぶ地域もあります。
見つけ方
ハンミョウが好む場所は、日当たりのよい砂地や林道・川原などです。
捕まえ方は、とんで逃げるぎりぎりの距離で、素早く虫網をかぶせることです。
ハンミョウが本気を出せば、ハチと同じくらいのスピードで飛ぶことができるので、静かに近づきましょう。
注意点
悲しいことに、近年ハンミョウの生息数は激減しています。一部地域では希少な存在ですので観察したら逃がしてあげましょう。
難易度MAX ヤマトタマムシ
- 体長・・・4センチ前後
- 生息地・・・本州・四国・九州
- 出現時期・・・6月〜8月
- 活動する時間・・・暑い晴天の日の11時~15時頃
宝石のような昆虫!といえばタマムシを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
メタリックグリーンのボディに赤いラインが入り、見る角度によってさまざまな色を見せることから、「玉虫色」の語源にもなっています。
日本一美しい虫と呼ばれ、古くは飛鳥時代の装飾品に使われていたこともあるそうです。
見つけ方
タマムシは飛ぶスピードが遅く、生息数も割と多い昆虫です。しかし、「生きているタマムシ」はあまり見かけませんよね。
この虫を捕まえるにはいくつか条件があります。
- 晴天の暑い日
- エノキ、ケヤキの木を見つける
- 木の上空を飛ぶタマムシを、網で捕まえる。
そうです、木の上を飛んでいるんです!
これでは普通に探していたら見つけられません。
飛ぶスピードは人が走るより遅い程度なので、虫網で充分捕まえられますが、問題は高さです。
つまり、「木と同じくらい長い虫あみ」が必要になります。
実際に捕まえている達人たちは、5m以上の長さの虫網を自作して採取しているようです。
裏ワザ
タマムシはエノキやケヤキの朽木に産卵し、自分が成長した朽木に再び産卵する習性があります。
タマムシが飛び回っている場所の近くに、穴だらけの朽木があれば、雌が産卵している可能性があります。
産卵中のタマムシなら、普通の虫あみでも捕獲できるでしょう。
ちなみに、森の中では派手な玉虫色が保護色となり、非常に見つけづらくなります。知らずに近づくと、スッと飛びあがり驚くことがあるかもしれません。
まとめ
今回紹介した昆虫の他にも、非常に美しい北海道の固有種「オオルリオサムシ」や、鈍い輝きと大人の手ほどの巨体をもつ「ヤンバルテナガコガネ」など、魅力的な昆虫は数多く生息しています。
宝石のような昆虫たちを無事捕まえられた方は、来年も美しい昆虫たちに出会えるように「キャッチ&リリース」を心がけていただけると幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。