日本の「両生類」図鑑

2024年12月2日両生類,生態データ図鑑

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日本に生息する「両生類の生態」をまとめたページです。
詳しい生態や飼育方法などは、以下のリンクからどうぞ。

詳しい生態やコラムはこちら→両生類(カテゴリー)

飼育方法はこちら→両生類の飼い方(カエル・イモリなど)

ニホンアマガエル

  • 分類:両生綱、無尾目、アマガエル科
  • 学名:Dryophytes japonicus
  • 分布:北海道、本州、四国、九州(屋久島より北)
  • 体長:2cm~4.5cm
  • 活動時期:4月~11月、気温が低下する冬は地中で冬眠する
  • エサ:昆虫、クモ、等
  • 寿命:5年~10年
  • 生息環境:水田、湿地、池、森林など
  • 繁殖期:5月~7月、卵は2日~3日ほどで孵化する

生態の特徴:

北海道から本州、九州に広く分布するカエルの一種。水田や森林などのほか、都市部でみられることもある。産卵期には水田、池などに20個〜30個ほどの卵を続けて産みつける。体色は背中側が黄緑色、腹部が白色であることが一般的だが、周辺環境の変化に応じて背中側が暗褐色に変色する場合もある。

出典:

シュレーゲルアオガエル

  • 分類:両生綱、無尾目、アオガエル科
  • 学名:Zhangixalus schlegelii
  • 分布:本州、四国、九州、五島列島
  • 体長:4cm~5cm
  • 活動時期:3月~10月
  • エサ:成体では昆虫、節足動物、等。幼生では水生昆虫、岩に付く藻類、等。
  • 寿命:不明(近縁種のモリアオガエルは野生下で6年ほど)
  • 生息環境:水田、森林、湿地
  • 繁殖期:主に4月~5月、地域によって2月~8月までばらつきがある

生態の特徴:

樹上性であり、指先に発達した吸盤を備えている。産卵期には水田や湖周辺など止水域の近辺に穴を掘り、200〜300個ほどの卵を白い泡で包んだ卵塊を産みつける。孵化後は降雨によって増水した巣穴から近辺の止水域に流れ込み、水中での活動を行う。

出典:

アマミイシカワガエル

  • 分類:両生綱、無尾目、アカガエル科
  • 学名:Odorrana splendida
  • 分布:奄美大島
  • 体長:7.4cm~13.7cm
  • 活動時期:1月~5月
  • エサ:昆虫、ナメクジ、ミミズ、等
  • 寿命:不明
  • 生息環境:自然林内を流れる河川周辺、木の洞や岩の割れ目など
  • 繁殖期:1月~5月

生態の特徴:

奄美大島のみに分布する日本固有種。背面の体色は緑を基調として黒褐色の斑紋が散らばっている。自然林における河川周辺、林道などでみられることが一般的。繁殖期には河川、渓流などの周辺で鳴き声を聞ける。環境省レッドリストにて絶滅危惧IB類に指定されており、捕獲、譲渡などが禁止されている。

出典:

カジカガエル

  • 分類:両生綱、無尾目、アオガエル科
  • 学名:Buergeria buergeri
  • 分布:本州、四国、九州
  • 体長:オス3.3cm~4.5cm、メス4cm~8cm
  • 活動時期:4月~10月
  • エサ:昆虫、クモ、等。幼生は藻類を食べる
  • 寿命:不明(近縁種のモリアオガエルは野生下で6年ほど)
  • 生息環境:山地における渓流、湖、森林など
  • 繁殖期:4月~7月、浅瀬の転石の隙間に計500個ほどの卵を産みつける

生態の特徴:

樹上性で、4本の肢全てに吸盤を備えている。古くから美しい鳴き声で知られ、詩歌にも登場した。幼生は急流でも流されないように、発達した吸盤状の口器で、転石などに張り付く。

出典:

ニホンヒキガエル

  • 分類:両生綱、無尾目、ヒキガエル科
  • 学名:Bufo japonicus
  • 分布:中国地方全域(島根半島を除く)四国および九州全域、屋久島、種子島など
  • 体長:8cm~17.6cm
  • 活動時期:5月~10月、夏から秋にかけて活動が活発化する
  • エサ:昆虫、ミミズ、サワガニ、など
  • 寿命:野生下で3年~5年、整った飼育環境下では10年生きることがある
  • 生息環境:低地から山地の森林、農耕地、公園、海岸周辺
  • 繁殖期:5月~10月、但し地域差が大きく、1月~3月に繁殖した例がある

生態の特徴:

夜行性、成体は森林や民家周辺など水辺から離れた場所でみられることがある。繁殖期には池や湿地などに集まり、水中に1,500個〜14,000個の卵を産みつける。身の危険を感じると、皮膚や耳栓から乳白色の毒を分泌する。

出典:

ナガレヒキガエル

  • 分類:両生綱、無尾目、ヒキガエル科
  • 学名:Bufo torrenticola
  • 分布:北陸地方から紀伊半島南部
  • 体長:7cm~16.8cm、雌個体が比較的大型
  • 活動時期:4月~9月、繁殖期が過ぎた後に1か月程度休眠する
  • エサ:昆虫、ミミズ、サワガニ、など
  • 寿命:不明(近縁種のアズマヒキガエルは野生下3年~4年、飼育下10年)
  • 生息環境:標高50m~1,700mの渓流周辺、樹林
  • 繁殖期:4月~5月、渓流の底にある石、倒木などに2,500個ほどの卵を産みつける

生態の特徴:

体色は背が灰褐色や赤褐色で、個体によっては斑点状の模様が入っている。幼生は近縁種と比較して口が大きく、成体は水かきが大きい特徴がある。主な生息域である渓流周辺の開拓、森林伐採などで個体数が減少しているとされており、京都府、奈良県、福井県などではレッドデータブックに掲載されている。

出典:

ミヤコヒキガエル

  • 分類:両生綱、無尾目、ヒキガエル科
  • 学名:Bufo gargarizans miyakonis
  • 分布:宮古諸島(池間島,宮古島,伊良部島,下地島、来間島)
  • 体長:6.1cm~11.9cm
  • 活動時期:低地における畑、森林、草地、など
  • エサ:昆虫、陸貝、ミミズ、メクラヘビ、等。
  • 寿命:8年ほど
  • 生息環境:低地における草地、森林、サトウキビ畑
  • 繁殖期:9月~翌3月、繁殖期には止水域に12,000〜14,000個ほどの卵を産みつける

生態の特徴:

主に地上で生活し、アリ、ミミズなどを捕食する。危険を察知すると目の後ろにある耳腺から毒を分泌するほか、皮膚からも弱い毒を分泌する。近縁種の日本ヒキガエルと比較して一か所の繁殖地に長くとどまりやすい。孵化した幼生の多くは3月以降に幼体になる。

出典:

オオヒキガエル

  • 分類:両生綱、無尾目、ヒキガエル科
  • 学名:Bufo marinus
  • 分布:小笠原諸島、大東諸島、先島諸島(原産国はアメリカ合衆国、エクアドルなど)
  • 体長:8cm~16cm(24㎝の個体が発見されたこともある)
  • 活動時期:ほぼ通年、生息地の気温と降雨量に影響される
  • エサ:昆虫、ミミズ、カエル類、小型哺乳類、等
  • 寿命:野生下で数年から10年
  • 生息環境:サトウキビ畑、森林、河川、海岸、住宅地など
  • 繁殖期:ほぼ通年、池や水たまりなどに8,000~25,000個の卵を産みつける

生態の特徴:

夜行性、昼間は石や倒木などの隙間に留まる。幼生は摂氏42.5度程度までの高温に耐性があるとされており、北米、中南米に自然分布している種類。他のヒキガエル属と比較して大型の毒腺を持ち、同種を捕食したヘビや犬などが命を落とすことがあるとされている。

出典:

タゴガエル

  • 分類:両生綱、無尾目、アカガエル科
  • 学名:Rana tagoi
  • 分布:本州、四国、九州、五島列島
  • 体長:3cm~5cm
  • 活動時期:1月~6月、6月以降も幼生、幼体がみられる
  • エサ:昆虫、クモ、陸貝、など
  • 寿命:不明(近縁種のニホンアカガエルは野生下で2年~3年)
  • 生息環境:低山地から山地の森林、沢沿い
  • 繁殖期:1月〜6月の内1か月〜2か月(生息環境によって変動)、伏流内に60個~110個の卵を産みつける

生態の特徴:

森林で生息、繁殖し、卵から幼体になるまでは生まれ持った卵黄のみで成長できる。外見が似通った種が複数存在しているが、タゴガエルは水掻きが比較的発達していない、斑紋の色が異なるといった特徴がある。繁殖期には穴の中で鳴き、くぐもった音が聞こえる。

出典:

ニホンアカガエル

  • 分類:両生綱、無尾目、アカガエル科
  • 学名:Rana japonica
  • 分布:本州、四国、九州、隠岐、大隈諸島
  • 体長:オス3.5cm~6.5cm、メス4.5cm~7cm
  • 活動時期:12月~翌9月
  • エサ:昆虫、クモ、等。幼生の時期には藻類や動物の死体などを食べる。
  • 寿命:野生下で2年~3年
  • 生息環境:主に平地の草原、森林、湿地、水田
  • 繁殖期:1月~3月、水田や湿地などの水辺に500〜3,000個ほどの卵を産みつける

生態の特徴:

成体は主に地上で活動し、潜水が得意ではないとされる。気温が低下すると落ち葉の下に潜って冬眠するが、生息地の気温によっては冬眠せずに活動することがある。近年では水田や森林の整備、開拓が進んだことに伴って個体数が減少しつつある。

出典:

ヤマアカガエル

  • 分類:両生綱、無尾目、アカガエル科
  • 学名:Rana ornativentris
  • 分布:本州、四国、九州、佐渡
  • 体長:4.2cm~7.8cm
  • 活動時期:1月~10月、10月後半~12月までは水底で冬眠する
  • エサ:昆虫、ミミズ、ナメクジ、等
  • 寿命:野生下で4年~5年
  • 生息環境:丘陵地または山地における森林、池、湿地、水田
  • 繁殖期:1月~4月、寒冷地では遅く、温暖地帯では早くなる場合があるとされる

生態の特徴:

非繁殖時には森林内部や水田などで生活し、繁殖期には池、水たまりなどで1,000〜1,900個の卵を産む。寒い時期に産卵した場合、産卵後に再度、冬眠する。幼生(オタマジャクシ)から成熟するまでは通常2年ほどを要する。幼体〜成体は肉食性だが、幼生は水草や藻などが主要なエサになる。

出典:

トノサマガエル

  • 分類:両生綱、無尾目、アカガエル科
  • 学名:Pelophylax nigromaculatus
  • 分布:本州(関東地方から仙台平野を除く)、四国、九州、北海道西部(札幌市、恵庭市などに国内移入)
  • 体長:約5cm~9.5cm、オスよりメスのほうが大きい
  • 活動時期:4月下旬〜10月上旬。冬は土中で冬眠する。
  • エサ:昆虫、ミミズ、小型のカエルやヘビ(口に入るサイズ)、等
  • 寿命:野生下で3年~4年
  • 生息環境:平野部から低山地にかけての池、水田、水路
  • 繁殖期:4月〜7月、水田や浅いため池などに1,800個〜3,000個の卵を産みつける。

生態の特徴:

主に水辺で生活するが、非繫殖期には草地や樹林など水辺から離れた場所にも移動することがある。繁殖期のオスは水田や浅いため池などの水面で鳴き、自身の周囲1.5平方メートルほどを縄張りとしている。縄張り意識があり、他のオスが接近した際には大声で鳴く、体を膨らませるといった威嚇行動を取る。

出典:

ツチガエル

  • 分類:両生綱、無尾目、アカガエル科
  • 学名:Rana rugosa
  • 分布:本州、四国、九州
  • 体長:約3cm~6cm オスよりメスのほうが大きい
  • 活動時期:12月下旬頃から池、水路などの泥中で越冬する
  • エサ:昆虫、クモ、等。幼体、成体はアリを好んで捕食する。
  • 寿命:不明
  • 生息環境:水田、河川、湿地、渓流など
  • 繁殖期:5月末〜8月末に1回あたり数十個、計690〜2,900個ほどの卵を産みつける。卵は5日ほどで孵化。

生態の特徴:

淡水域の水辺に生息する。幼生のまま越冬する場合があり、そうした幼生は全長8cmほどになる。水中で越冬する特性から、1年通して水がある環境を必要とする。また、成体は危険を感じると皮膚から悪臭がある粘液を分泌し、カエルを主なエサとするヘビから捕食されることを防いでいる。

出典:

ウシガエル

  • 分類:両生綱、無尾目、アカガエル科
  • 学名:Rana catesbeiana
  • 分布:北海道南部、本州、四国、九州、沖縄(原産国はアメリカ合衆国、カナダなど)
  • 体長:11cm~18cm
  • 活動時期:成体は1年を通して見られる。オタマジャクシは越冬し、翌年の夏に幼体になる
  • エサ:昆虫、甲殻類、他のカエル、小型哺乳類、等
  • 寿命:野生下で7年~9年
  • 生息環境:河川、湖、沼、水路など
  • 繁殖期:5月〜9月上旬。水草の多い水面に6,000個〜40,000個の卵を産む。

生態の特徴:

夜行性であり、昼間は水草の中や岸辺の土手、茂みなどに隠れて過ごす。幅広い食性を持ち、小型の鳥類や爬虫類など、口に入るサイズのあらゆる小動物を捕食する。大型のカエルとして周囲の生物を貪欲に捕食することから、日本では特定外来生物に指定されている。

出典:

オットンガエル

  • 分類:両生綱、無尾目、アカガエル科
  • 学名:Babina subaspera
  • 分布:奄美大島、加計呂麻島
  • 体長:9cm~14cm
  • 活動時期:1年を通して見られる
  • エサ:昆虫、サワガニ、ミミズ、ナメクジ、等
  • 寿命:野生下で4年~7年
  • 生息環境:丘陵地から山地の森林、耕作地、渓流部など
  • 繁殖期:4月~10月、産卵から2日~3日ほどで孵化する

生態の特徴:

基本的に森林内部や渓流部に生息するが、林道や公園でみられることもある。産卵時にはオスが水辺に直径20cm〜30cm、深さ2cmほどの穴を掘り、その中にメスが1,300個ほどの卵を産みつける。ただし、水たまりや池などに産卵した例もある。分布が重複しているアマミハナサキガエルと比較すると前肢が1本多い5本であり、体格ががっしりしているといった違いがみられる。

出典:

アカハライモリ

  • 分類:両生綱、有尾目、イモリ亜目
  • 学名:Cynops pyrrhogaster
  • 分布:本州、四国、九州とその周辺島嶼
  • 体長:オスは7cm~11cm、メスは8cm~14cm
  • 活動時期:4月〜7月。冬季は湿った草、岩の下などで冬眠する
  • エサ:幼体は陸生貝類や小型の昆虫やミミズ、成体は昆虫やカエルの幼生など
  • 寿命:飼育下で20年~30年
  • 生息環境:水田、池、小川など
  • 繁殖期:4月〜7月上旬に複数回産卵する。水草の葉に1個ずつ、1回の産卵につき合計数個〜40個を産みつける。

生態の特徴:

夜行性で、淡水や湿った枯れ草などに生息する。春および秋にはオス個体の尾が婚姻色として紫色に変化し、求愛行動を図るとされている。孵化した幼生は水中で活動するが、幼体まで成長した時点で皮膚が発達し、上陸して活動できるようになる。成体は腹部が赤色になっており、捕食者に対する警戒色となっていると考えられている。また、皮膚や体内にはテトロドトキシン(フグと同じ毒)を有している。

出典:

オキナワイボイモリ

撮影:東川 剛幸https://www.instagram.com/p/CuHLrlpxjHY/
  • 分類:両生綱、有尾目、イモリ科
  • 学名:Echinotriton andersoni
  • 分布:奄美大島、請島、沖縄本島、瀬底島、渡嘉敷島、徳之島
  • 体長:約10cm〜20cm。雄より雌の方が大きい。
  • 活動時期:11月~翌5月
  • エサ:ミミズ、昆虫、クモ、ナメクジなど
  • 寿命:約10年
  • 生息環境:常緑広葉樹から構成される自然林、二次林、草原など
  • 繁殖期:11月~翌5月、池や水辺付近の枯れ葉、湿った岩などに1個ずつ産卵する

生態の特徴:

繁殖期には生息地の個体群が水辺に集まり、非繁殖期には森林内に分散していると考えられている。幼生は自力もしくは雨によって水中まで移動し、2〜3か月を経て幼体になって上陸する。成体は肋骨の先端部が体表に突出しており、突起がイボ状に見えることが名前の由来になっているとされる。

出典:

キタサンショウウオ

撮影:キタサンショウウオ(@ezo_newton) (https://www.instagram.com/ezo_newton)
  • 分類:両生綱、有尾目、サンショウウオ科
  • 学名:Salamandrella keyserlingii
  • 分布:釧路湿原、上士幌町
  • 体長:12cm~16cm
  • 活動時期:4月上旬〜10月 冬季は倒木や土中などに潜って冬眠する
  • エサ:幼体はプランクトンや水生昆虫、成体は昆虫、クモ、ミミズなど
  • 寿命:不明(サンショウウオ類の寿命は約10年~20年)
  • 生息環境:低地の湿原、針葉樹林、草原など
  • 繁殖期:4月上旬〜5月、水たまりや池など止水域に約140個の卵から形成される卵のうを形成する。

生態の特徴:

低温への耐性が強く、冬眠中に気温が-23℃まで低下しても数日間は生存する。幼生は水中で過ごすが、幼体になってからは上陸して活動する。卵は30日〜40日で孵化し、7月〜8月に幼体に変化する。外見がエゾサンショウウオと類似しているが、本種は背中に黄土色の縦帯がある、平均的にやや小型であるなどの差異がある。

出典:

アキサンショウウオ

  • 分類:両生綱、有尾目、サンショウウオ科、カスミサンショウウオ種
  • 学名:Hynobius akiensis Matsui
  • 分布:広島県、愛媛県、島根県のそれぞれ一部
  • 体長:約7cm~10cm
  • 活動時期:3月~4月
  • エサ:不明(同種のカスミサンショウウオは小型の昆虫、ミミズ等をエサにする)
  • 寿命:不明(同種のカスミサンショウウオは飼育下で15年生存した事例がある)
  • 生息環境:島嶼部、水田、湿地など
  • 繁殖期:3月~4月 水田の溝や湿地などの付近に卵のうを形成する

生態の特徴:

2019年にカスミサンショウウオ種の1種として登録された。他のカスミサンショウウオ種と比較して胴長である、肋条数が通常12(他種は通常13のことが多い)などの差異がある。繁殖期のオスは下あごが少し白くなることでメスの個体と区別できる。

出典:

オオダイガハラサンショウウオ

  • 分類:両生綱、有尾目、サンショウウオ科
  • 学名:Hynobius boulengeri
  • 分布:近畿(和歌山、三重、奈良)、四国、九州(熊本、大分、宮崎、鹿児島)
  • 体長:15cm~20cm
  • 活動時期:通年
  • エサ:成体は昆虫やミミズ、幼生は水生昆虫やヨコエビなど
  • 寿命:不明(サンショウウオ類の寿命は約10年~20年)
  • 生息環境:山地の広葉樹林、針葉樹林、二次林など
  • 繁殖期:2月~5月 渓流付近で1回19個~63個を産卵する

生態の特徴:

冷涼な気候を好み、渓流の源流〜上流部付近に生息する。孵化後、幼体になるまでの半年〜2年間ほどは水中で活動し、幼体以後は上陸して活動する。類似種と比較して胴体から尻尾が太く、全長が大きいことが特徴。

出典:

オキサンショウウオ

  • 分類:両生綱、有尾目、サンショウウオ科
  • 学名:Hynobius okiensis
  • 分布:島根県(島後島のみ)
  • 体長:12cm~13cm
  • 活動時期:通年
  • エサ:幼生は昆虫の幼生やヨコエビ、成体は昆虫、クモ、ミミズなど
  • 寿命:不明(サンショウウオ類の寿命は野生下で約10年~20年)
  • 生息環境:低地から山地にかけての原生林、二次林など(幼生は川の中に生息)
  • 繁殖期:2月下旬〜3月、渓流周辺の伏流水中に20個〜50個の卵を卵のうに包んで産卵する。

生態の特徴:

卵は産卵から約2か月後に孵化し、孵化後4年〜5年間は流れの速い渓流に生息する。成長に伴って活動場所が水中から陸上に移ることが特徴で、上陸後はエラ呼吸から肺呼吸になる、尾びれが消滅するなどの変化が生じる。隠岐諸島にのみ生息する日本固有種で、カスミサンショウウオや対馬参照嘔吐近縁種だとされている。

出典:

クロサンショウウオ

  • 分類:両生綱、有尾目、サンショウウオ科
  • 学名:Hynobius nigrescens
  • 分布:本州(東北、北陸、中部)、佐渡島
  • 体長:約13~16cm(体長の半分近くを尾が占める)
  • 活動時期:冬季は土の中で冬眠する
  • エサ:成体は昆虫やミミズ、幼生は小型昆虫や小型甲殻類、ミミズなど(幼生は共食いすることがある)
  • 寿命:約10年
  • 生息環境:山地の森林、湿原など(標高1,000m未満から2,500m以上まで分布)
  • 繁殖期:2月〜7月、湖沼や水路などの水中にある枝、石などへ11個〜106個の卵から形成される卵のうを産む。卵が紡錘形であることが特徴。

生態の特徴:

卵は4週間〜5週間ほどで孵化し、通常年内に幼体へと変態する。ただし、生息環境によっては幼生のまま越冬して翌年に変態する個体も存在する。成体は夜行性で、昼間は落ち葉や倒木、岩の下などで休息している。

出典:

ツルギサンショウウオ

  • 分類:両生綱、有尾目、サンショウウオ科
  • 学名:Hynobius tsurugiensis
  • 分布:四国(徳島、高知)
  • 体長:12cm~14cm
  • 活動時期:4月~6月
  • エサ:不明(幼生の間は生まれ持った卵黄嚢の栄養で成長する)
  • 寿命:不明(サンショウウオ類の寿命は野生下で約10年~20年)
  • 生息環境:山地の自然林、河川源流域など
  • 繁殖期:渓谷の源流付近における伏流水中に19個~28個の卵から形成される卵のうを産む

生態の特徴:

四国の剣山山系に分布するサンショウウオの一種で、2019年に新種として登録された。繁殖期には河川の源流周辺、非繁殖期には枯れ木の下や砂礫中などに生息している。孵化直後〜幼生の間は生まれ持った卵黄以外採餌せず、8月頃に変態する。

出典:

ナンヨサンショウウオ

  • 分類:両生綱、有尾目、サンショウウオ科
  • 学名:Hynobius oni
  • 分布:四国南西部
  • 体長:約7.5cm~8.5cm
  • 活動時期:不明
  • エサ:不明(類似種のイシヅチサンショウウオは小型の昆虫が主なエサになる)
  • 寿命:不明(小型~中型サンショウウオ類の寿命は野生下で10年~20年ほど)
  • 生息環境:山地の森林、渓流周辺など
  • 繁殖期:4月下旬と推測されている。山地の渓流で産卵する。

生態の特徴:

四国南西部の鬼ヶ城山地と篠山山地のみに生息記録がある固有種。渓流で繁殖するサンショウウオの幼生は指先に爪があることが一般的だが、本種の幼生には爪が無いことが特徴になっている。卵は長さ約5mm〜6mmのクリーム色。

出典:

  • Sally Kanamori​. Kanto Nishikawa, Masafumi Matsui, Shingo Tanabe.A new species of lotic breeding salamander (Amphibia, Caudata, Hynobiidae) from Shikoku, Japan.PeerJ,https://peerj.com/articles/13891/(参照 2024-09-29).
  • Web両爬図鑑『ナンヨサンショウウオ』https://herpetology.raindrop.jp/hynobius_oni

ホムラハコネサンショウウオ

  • 分類:両生綱、有尾目、サンショウウオ科
  • 学名:Onychodactylus pyrrhonotus
  • 分布:北陸、中部、近畿の一部
  • 体長:頭胴長6cm~8cm(尾長は頭胴長の1倍~1.3倍)
  • 活動時期:5月下旬~7月上旬
  • エサ:幼生は水生昆虫や無脊椎動物、成体は不明
  • 寿命:不明(小型~中型サンショウウオ類の寿命は野生下で10年~20年ほど)
  • 生息環境:山地の森林、林床
  • 繁殖期:5月下旬~7月上旬、渓流の伏流水中に産卵する

生態の特徴:

冷涼で湿潤な環境に生息する。背中に赤色の斑紋があることが特徴で、斑紋が炎のように見えることが学名の由来とされている。繁殖期になるとメスは足の裏が黒くなる、オスは足の裏が黒くなり、後肢が太くなるといった変化が現れる。

出典: